井上氏の場合は、33歳で手取り22万円のサラリーマンで、妻はいますが子供はいないようです。
就職直後から、世界経済の成長に連動するインデックスファンドに対し、毎月10万円の積み立て投資を始めたとのこと。
就職直後の手取り額は、手取り22万円よりも少なかったでしょうから、収入から考えれば、かなり多めの投資金額ですが、節約生活が得意なので、気にならなかったそうです。
独身寮に住んでいた私でも、ここまでは貯められていないので、このあたり、すごいと思います。
ただ、私の場合も、自分でもかなりの節約家だと思いますし、妻にもよく言われますが、趣味など、使うところは使ってきました。
それがあるからこそ、働くモチベーションを、60歳まで保てたということもあります。
ひたすら節約生活をして、お金だけを貯めていく生活というのは、とても真似できません。
ジェイソン氏もそれに近いですが、彼の場合は、お笑い芸人やらIT企業の幹部やらと、仕事を楽しんでいるようで、それとは別に蓄財をしている感じです。
これに対して井上氏は、会社に頼らない経済力を身に着けると決めたのは、交通事故にあってからで、そのときに既に2,000万円ほどの貯金があったということですので、根っから蓄財が好きなのだと思います。
さて、井上氏の場合、運がよかったのが、投資開始直後にリーマンショックがあり、株価が凄まじく安かったことでしょう。
その間に、かなりの金額を注ぎ込んでいたおかげで、トータルで高い利率を得ることができています。
しかも、ただその時期に安かったというだけではなく、最初からそういう条件で始めたということが、さらに幸運でした。
もっと前から、投資を始めていれば、あれほど下がっていく価格に、耐えられなかったのではないかと思うのです。 井上氏は、このようにして、1,500万円の元手に対して、3,600万円ほどのリターンを得たということでした。
ですが、ここまできて、あれっと思ったのは、私だけでしょうか。
この本の題名には、『1億円を貯められた』とあります。
では、残りの6,400万円は?