以前にも、ミステリーのトリックが、物理的に実現不可能というものを紹介したが、
先日読んだミステリーで、一読した途端に、これも無理じゃないかというものがあった。
ホームズを思わせる名探偵と、モリアーティを思わせるその宿敵とが、足を突っ込んでいる水たまりにスタンガンを当てて、二人を失神させるというものである。
スタンガンの性質を考えればわかるのだが、スタンガンは電極間に電圧をかけ、電流が人間の身体(特に心臓に近い胸部)を流れることで、相手を無力化するものだ。
それを水たまりにつけると、電流は一方の電極から水を通ってもう一方の電極に流れ(ショートに近い)、人体には流れないため、失神も麻痺もしないのである。
AIに聞けばわかることなので、作家の方はトリックを考えついたら、一度はAIに相談してみてはどうかと思う。
こちらは別の作品だが、ダイビングのレギュレータのホースに裂け目を作っておき、それを水溶性の樹脂で蓋をして、ダイビング中に樹脂が溶けてホースから空気が漏れてダイバーが溺れるというものもあった。
AIによれば、よほどのテストをしないと樹脂が溶けるタイミングを見計らうのが難しいということなので、条件が揃えば実現可能かもしれない。
但し、水中でホースに穴があくと、かなり激しく空気が噴出するので、一緒に潜っているダイバー(特にガイド)がまず気づき、自分の空気を与えて一緒に浮上することになる。
ホースに傷をつけておき、いつかは相手が死ぬかもしれないという程度のものなら、試してみる価値はあるかもしれないが…。
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