2冊の本を、続けさまに読んで、思うところがあった。
1.「ファイナンシャル・ウェルビーイング 幸せになる人のお金の考え方 」 山崎俊輔 青春出版社
2.「財布は踊る」 原田ひ香 新潮社
尚、ネタばれがあるので、未読の方はこの稿を読まないことを勧める。
前者は、お金と、幸せな生き方について書かれた新書。
豊かなはずの日本人が、すこしも幸せでないのはなぜかということから始まり、お金と幸福の関係を、じっくり考えてみようという本である。
貧乏でも気の持ちようで幸せに暮らせるといった、作者の考えを押しつけるような本ではない。
また、こうすればお金が貯まるとか、こうすれば幸福になれるとかいった、怪しげなノウハウ本でもない。
お金がある人はあるなりに、ない人はないなりに、幸福に生きるすべを、考えさせてくれる。
あたりまえのことしか書いてないのに、非常に腑に落ちるのは、既に我が家が似たことを実践しているせいかもしれない。
ただ、あたりまえのことしか書いてない上、煽情的な題名もついていないせいか、さほど話題にもなっていないし、amazonのレビュー数など見ても、それほど売れているとも思えない。
それだけなら、1はさほど印象に残らなかったかもしれないが、この次に読んだのが、2の「財布は踊る」だったから、インパクトが強かった。
登場人物が、いくら使っても月々のカードの支払いが3万円だからとリボ払いで買い物をする男だったり、消費者金融から借金をして怪しげなFXの教材を買う男だったり、50万円の借金を待って貰うために毎月8万円ずつ払い続ける男だったりと、金融リテラシーの皆無な人間たちばかりなのである。
読んで思ったのは、私が思っていた以上に、世の中には金融リテラシーのない人々があふれているということだ。
過去に下のような記事を書いたりして、知識としては知っていても、小説として読むことで実感として迫って来た。
「ここまで○○だとは思わなかった」というのが、正直なところである。
そして、そんな人々に、「ピンクの財布を持てば金運が上がる」という本や、「俺はリクルートに採用されたがそっちを蹴ってFXをやっている」と、教材を売りつける連中も登場する。
どちらの立場にもなりたくないが、少なくともそういった連中に食い物にされないよう、お金に関する理屈はわきまえておかないと、改めて実感した。
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