では、まず厚切りジェイソン氏のほうから、見ていきましょう。
この方は、お笑い芸人で、かつ、IT企業の取締役だそうです(1986年生 35歳)。
本書によれば、ジェイソン氏は、就職してからの13年間で、家族全員が一生安心して生活できるだけのお金を貯めたということです(P6)。
投資の対象は、米国のインデックスファンドとありました。
家族の毎月の生活費が、約28万円(P43)とありますから、12ヵ月で336万円。
今後安泰ということは、85歳まで生きて50年間と仮定して、336万円/年*50年=1億6,800万円となります。
これを、13年間で貯めたというのですから、最初の年をゼロとして、毎年、1,300万円ずつ、お金が増えていったことになります。
彼の投資法によれば、年利が6.4%を下回ったことがないそうですので(P21)、13年間の利率を、6.4%とします。
13年間、どのように投資したかを、毎年の投資額を色々と仮定して、計算してみました。
黄色の表は、毎年、等額880万円を投資した場合です。
投資総額が1億1,440万円に対して、リターンは1億8141万円、ここから利益の20%を税金として取られて、1億6801万円を得ることができます。
投資額に対するリターンは、1.47倍です。
ピンクの表は、最初の年に3,300万円を投資し、その後は、毎年600万円を投資した場合です。
投資総額が1億1,440万円に対して、リターンは1億8,417万円、税を引いて、1億6,833万円を得ることができます。
投資総額に対するリターンは、1.6倍です。
青の表は、最初の年に、全額を投資した場合です。
これなら、投資総額8,450万円に対して、税を引いて1億6,832万円を得ることができますので、投資総額に対するリターンは、何と2倍になります。
但し、いくら何でも、就職してすぐの年に、8,450万円を投資できるものではないでしょう。
また、本によれば、リスクを避けるために、毎月、いくらかずつを定額で投資したということなので(P80)、実際には、ピンクと黄色の間くらいになるのではないかと思います。
それにしても、毎年、600万円から800万円を投資するわけで、かなりの高給取りでないと、困難な技ではあります。
実際、氏は下の記事で、年収2千万超の代表であるかのようにインタビューに答えているので、それくらいは払えるのでしょう。
それにしても、個人的な感想としては、これだけの収入があるのであれば、年間336万円で暮らさなくてもいいと思うのですが。