さて、売り手が、お金をいかに使わせようかと知恵を絞っている中、こちらとしても、老後のために貯めたお金を守る「第2の仕組み」を構築して、対抗しなければなりません。
まず、最初にすべきことは、老後資金のための、専用口座を作ることです。
この専用口座に、給与と賞与のうち、何割かを天引きしていきます。
大事なことは、天変地異や失職などで、どうしてもお金が必要な場合以外は、専用口座から、1円たりともお金を降ろさないことです。
ATMで降ろすことはもちろん、クレジットカードや公共料金の引き落としも、ここから行なってはいけません。
ついついやってしまいそうなのが、住宅購入のための頭金やローンの支払いですが、これも同じです。
家を買った結果、老後資金がなくなっては、何にもならないからです。
これを、定年まで守るのです。
専用口座としては、会社に、社内預金のような制度があれば、それを使うのがいいでしょう。
一般財形貯蓄を利用するのも、一つの手だと思います。
尚、住宅財形は、住宅を買うためにしか使えませんので、この用途には向きません。
社内預金も一般財形もなければ、給与と賞与を複数の銀行口座に振り込むようにしてもらい、1つを専用口座とするしかないでしょう。
ただし、その銀行口座には、キャッシュカードを作らないようにして、ハンコと通帳を、銀行に持っていかないと、お金を降ろせないようにしておきます。
給与の振込先として、複数の口座を使えない場合は、少し厄介です。
給与をもらったら、必ずその日にお金を降ろして、自分で専用口座に振り込む手段もありますが、これには、とんでもなく強固な意志が必要です。
それよりは、専用口座を給料口座と別の銀行に作り、給料日かその翌日に、給料口座から定額を振り込む手続きをしておく方が、確実です。
1回の振込みのたびに、数百円程度の手数料を取られますが、これは必要経費と考えるしかありません。