1億円貯めて、会社を辞めました。

【毎日極楽】いかにして1億円を貯金し、60歳からの早期リタイアの日々を幸せに過ごしているか

降ろせない専用口座で、ひたすら貯める

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 さて、売り手が、お金をいかに使わせようかと知恵を絞っている中、こちらとしても、老後のために貯めたお金を守る「第2の仕組み」を構築して、対抗しなければなりません。

 

 まず、最初にすべきことは、老後資金のための、専用口座を作ることです。
 この専用口座に、給与と賞与のうち、何割かを天引きしていきます。

 

 大事なことは、天変地異や失職などで、どうしてもお金が必要な場合以外は、専用口座から、1円たりともお金を降ろさないことです。


 ATMで降ろすことはもちろん、クレジットカードや公共料金の引き落としも、ここから行なってはいけません。

 ついついやってしまいそうなのが、住宅購入のための頭金やローンの支払いですが、これも同じです。

 家を買った結果、老後資金がなくなっては、何にもならないからです。


 これを、定年まで守るのです。

 

 専用口座としては、会社に、社内預金のような制度があれば、それを使うのがいいでしょう。
 一般財形貯蓄を利用するのも、一つの手だと思います。

 尚、住宅財形は、住宅を買うためにしか使えませんので、この用途には向きません。


 社内預金も一般財形もなければ、給与と賞与を複数の銀行口座に振り込むようにしてもらい、1つを専用口座とするしかないでしょう。
 ただし、その銀行口座には、キャッシュカードを作らないようにして、ハンコと通帳を、銀行に持っていかないと、お金を降ろせないようにしておきます。

 

 給与の振込先として、複数の口座を使えない場合は、少し厄介です。
 給与をもらったら、必ずその日にお金を降ろして、自分で専用口座に振り込む手段もありますが、これには、とんでもなく強固な意志が必要です。


 それよりは、専用口座を給料口座と別の銀行に作り、給料日かその翌日に、給料口座から定額を振り込む手続きをしておく方が、確実です。
 1回の振込みのたびに、数百円程度の手数料を取られますが、これは必要経費と考えるしかありません。

ネットの魔力(お金を、使わせようとする側の仕組み)

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 そしてついに、ネット通販が登場しました。

 

 これにより、消費が一気に拡大したのは、ご存知の通りです。
 今や、店に出かけて買い物をするという、手間さえも省略されました。

 スマホの登場により、いつでもどこでも、買い物が可能です。

 買い物をするのにも、画面に触れるだけですから、預金が減ることへの心理的な抵抗感も、カードのときよりさらに小さくなっています。

 

 また、スマホやPCの画面には、広告が溢れています。
 ネットの世界では、SNSを始めとしたさまざまなサービスが、無料で提供されている代わりに、何をするにも広告がつきまとってくるからです。

 

 TVの世界では、番組放映時間に対する広告時間の制限がありましたが、ネットにはありません。
 TVでは、少なくとも番組を見ているときはそれに集中できましたが、ネット広告では、同じ画面に、動画が延々と流れます。


 しかも、プロの広告主だけでなく、インフルエンサーと呼ばれる人たちまでもが、魅力的な製品を次から次へと紹介し、購買意欲をそそってくれます。

 このように、美味な誘惑が溢れた環境で、お金を使わないでいることは、容易ではありません。

 

 iPhoneのことは知りませんが、Androidスマホでは、少し前から、「ホーム」などの3つのボタンが本体から消え、画面の中にソフトで提供されるようになりました。
 画面を広く使うためと称していますが、私はこれは、元の画面に戻ったり、アプリを終了したりを、簡単にできなくするためだと思っています。
 最後のページまで読んで広告を見ないと、非常に画面を変更しにくいのです。
 また、押し間違いも増えました。

 戻るボタンを押すつもりが、画面の広告を押して、動画が再生されてしまうこともたびたびです。

 

閑話休題

 生活が便利になることは、歓迎すべきではありますが、それはあくまでも、売り手がお金を使わせるために作った仕組みだということは、忘れないようにする必要があります。
 貯蓄は、使えば、必ず減ります。
 自分では使っていないつもりでも、心理的・物理的な抵抗を持たずにお金を使える仕組みになっており、いつの間にか、お金がどんどん減っていくのです。

 

 かといって、クレジットカードは持たないとか、ネットはやらないとかいう暮らしは、実行できるものでもありません。

 どちらも、実生活に深く食い込んでいるからです。

 実は、ネットを全く使わないという知人がいるのですが、暮らしぶりを聞いていると、我々凡人にはとても真似ができません。

 

 何度も言いますが、このような消費社会に対して、お金を使わないようにすることは、家計簿とか節約といった、個人の意志や努力だけでは不可能です。
 第1の仕組みである天引きで、頑張って貯めた自分の大事なお金を、世間の誘惑から守るための、第2の仕組みが必要なのです。


 次回の記事からは、その仕組みを紹介します。

分割払いもクレカも借金です(お金を、使わせようとする側の仕組み)

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 売り手側が、さらに消費者の買い物を増やそうとする試みは、止むところがありません。
 立ち止まったら、自分たちが、倒れてしまうからです。

 

 これまでた売り手は、いつでも現金が消費者の元に届くようにして、買い物への、物理的な障壁をなくしてきました。
 次は、心理的な障壁をなくすべく、新たな仕組みを投入してきます。

 

 それが、消費者金融と、分割払いと、現金がなくても買い物ができるクレジットカードです。

 

 これにより、通帳に現金の裏付けがないと物が買えなかったのを、信用というものを担保にしてお金を貸し付け、物を買えるようになりました。
 将来の給与などを質に取り、お金を貸して、まだ、もらってもいないお金を、前倒しで使わせようという企みです。

 

 消費者金融は、いかにも借金だけど、次の2つは利息を払っていないから、借金じゃないと思う方も多いのではないでしょうか。
 ですが、利息を取られないものの、まだ、存在しないお金を他者から借りるという点では、同じことです。
 借金であるという実感がない分、貯金という目標にとっては、たちが悪いとさえ言えます。

 

 しかも、買い物をした瞬間に、財布の中の現金が出て行くわけではなく、通帳の残高が減るわけでもないので、使ったという実感がありません。
 お金を使うという抵抗感をなくさせて、どんどん買い物をしてもらうという、売り手の目論見通りです。

 

 一時、カード破産などが急増したのは、そのためです。
 気楽にお金を使っているうち、自分がいくら稼いでいくら使えるかという、金銭感覚が麻痺してしまうのです。

銀行が便利になって、貯金は減っていく(ものを買わせる側の仕組み)

 ここで、貯金の第2の仕組みについて説明する前に、売り手の側に立ってみたいと思います。

 

 前述したように、売り手の側としては、消費者にお金を貯め込まれては、物が売れずに困ってしまいます。
 それでは困るので、売り手の側は、あの手この手を駆使して、何とかしてお金を使わせようとしてきました。

 

 今の若い人には、想像もつかないでしょうが、かつては、現金でしか買い物ができませんでした。

 何しろ、銀行の窓口に、通帳とハンコを持って行かないと、お金が降ろせませんでした。
 銀行が開いているのは、平日の9時から15時のみ。
 その時間以外には、降ろせないのですから、金曜日に降ろし忘れると、土日はお金がなくて、綱渡りということもありました。

 

 但し、降ろせないお金は、使うことがありません。

 不便でしたが、その分、無駄なものを買うことも少なかったのです。
 結果、買い物は明日にしようとか、手元にあるお金は、まず必要なものを買うのに残しておこうとかいうことになって、自然と節約ができていました。

 

 ところが、これでは消費がなかなか増えません。
 そこで、売る側の人たちは、もっと簡単にお金を手元に降ろせるように、いろいろと考えました。

 まず、キャッシュカードができて、かさ張るハンコと通帳を持っていかなくてもよくなり、しかも、銀行の窓口だけでなく、無人のATMから降ろせるようになりました。

 

 ATMは機械ですから、24時間365日働いてくれます。

 さらには、自分の預けている銀行でない銀行や郵便局でも使えるようになり、ついには、金融機関だけでなく、日本じゅうのコンビニで、お金が降ろせるようになりました。

 

 このように、売り手側は、買い物の便利さを提供することで、私たちがお金を払うことへの、物理的な障害を、どんどん減らしていきました。

 

 そして次は、心理的な障害を、減らすことを考えます。

貯める仕組みの次は、使わない仕組み

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 さほど苦労をせずに、確実にお金を貯める「第1の仕組み」として、天引き預金を紹介しました。
 これで、このお金を使いさえしなければ、間違いなく貯金が可能です。


 ですが、せっかく貯めた貯金なのに、ついつい使ってしまうのが、人の性です。

 では、使ってしまうのを防ぐには、どうすればいいか。
 使ってしまうのは、意志が弱いからで、意志の力を強くすればいいのでしょうか。


 それは、違います。

 意志の力だけでは、貯金ができなかったように、使うのを止めるのも、意志の力だけでは無理なのです。


 物のなかった昔に比べて、今は、誘惑が多くなっています。
 メーカーは次から次へと新製品を作り、周囲には物が溢れ、売り手は何とかそれを買わせようとしています。


 この巨大な流れに抗するのには、人の意志だけでは、どうしようもありません。

 人は、そこまで強くないからです。

 

 では、どうすればいいか。

 貯めたお金を、使えないようにする、「第2の仕組み」を作る必要があるのです。

 

 

 たとえ話ですが、世界で、水が何よりも貴重となり、水道からは、毎月、決まった量だけの水しか出せないものとします。
 このとき、配水管からバイパスを作って少量を樽に引き込み、水道を使うたびに少しずつ水を溜めていくのが、「第1の仕組み」である天引き預金です。

 これにより、意志の弱い人でも、さほど意識せずに、貯金ができるようになりました。

 

 ところが、せっかく水を樽に溜めても、足りなくなるたびに樽から取っていたら、未来永劫、水は溜まりません。
 それを防ぐためには、樽には蛇口をつけないとか、蓋に錠をつけて簡単には開かないようにするなど、溜まった水を取り出せないようにする仕組みが必要です。


 これが、「第2の仕組み」に相当します。

使ったら貯まらないのは、当たり前

 さて、給与の中から、天引き預金をして、お金を貯めていったとしましょう。
 何年間かしたら、通帳には、それなりの額が貯まっているはずです。
 ところが、気がついてみると、なぜか思ったほど貯まっていないことが大半です。

 

 それはなぜか。
 簡単です。せっかく頑張って貯めたお金を、使ってしまうからです。

 

 お金は、消えるということがありません。
 1円貯めたら、預金は1円増え、1円使ったら、預金は1円減ります。

 

 「いくら稼いでも、お金が貯まらない」とか、「ちゃんと貯金はしているのに、気がついたら残っていない」という話を、よく聞きます。

 「給与は上がったのに、貯金は変わらない。給与につれて、税金や社会保障費も上がるせいで、手取りが増えないからだ」という話も、よく聞きます。
 確かに、累進課税の仕組み上、それは全く嘘というわけではありません。


 ですが、すべて真実でもありません。

 収入が増えた分、手取りが減ることはなく、絶対に増えています。
 そして、間違いなく、出費も増えているはずです。
 下手をすると、手取りが増えた分以上に、出費が増えていることもあります。


 人間とは弱いもので、あればあっただけ、使ってしまうものなのです。

天引きしないと、貯金なんてできるわけがない

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 ここまで、定年までにしっかり貯金をしておかないと、老後は間違いなくお金が足りなくなるという話をしてきました。

 ここからは、我々夫婦が、どうやってお金を貯めてきたかを、具体的に説明していきます。

 

 とはいっても、近頃流行りの投資信託など、特別な方法ではありません。

 前述したように、地道な天引き預金と共稼ぎによるものです。

chotiku.hatenablog.com

 大抵の方がご存知と思いますが、天引き預金というのは、給与をもらう前の時点で、その何割かを、メインの口座とは別の口座に入金してもらうことを言います。

 なぜ、天引き預金をしなければならないかと言えば、先に給与をもらって、その中から貯金をしようとしても、まず、貯められないからです。


 人間とは弱いもので、一度お金を手に入れてしまうと、それを既にあるものとして考えてしまい、手放すのが惜しくなります。

 給与をもらった日に、会社の帰りにでも銀行に行き、自分で預けるというのも、無理です。
 預けるのを忘れたり、今月はちょっと厳しいから預ける額を少なめにしようとしたり、いくらでも易きに流れるからです。


 言わんや、必要なお金を使った後で、余った分を貯めるなどという甘いやり方では、まとまった貯金は、絶対にできません。

 少しは貯まるかもしれませんが、その苦労が嫌になって、どこかでやめるか、使ってしまうのが落ちです。

 

 節約だけでは、貯金はできません。先に貯金をして、残ったお金で暮らすことだけが、お金を貯める唯一の方法です。

 

 それが証拠に、税金、厚生年金、健康保険料などは、絶対に払わなければならないお金ですが、それをちゃんと払えているのは、給与から天引きされているからです。
 住宅ローンも同じです。
 もしこれらのお金を、給与をもらってから後払いするような制度にすれば、かなりの人が、いろんな理由をつけて、払わない(払えない)に違いありません。

 

 何度も言いますが、貯金をする気があるなら、天引きあるのみです。