さほど苦労をせずに、確実にお金を貯める「第1の仕組み」として、天引き預金を紹介しました。
これで、このお金を使いさえしなければ、間違いなく貯金が可能です。
ですが、せっかく貯めた貯金なのに、ついつい使ってしまうのが、人の性です。
では、使ってしまうのを防ぐには、どうすればいいか。
使ってしまうのは、意志が弱いからで、意志の力を強くすればいいのでしょうか。
それは、違います。
意志の力だけでは、貯金ができなかったように、使うのを止めるのも、意志の力だけでは無理なのです。
物のなかった昔に比べて、今は、誘惑が多くなっています。
メーカーは次から次へと新製品を作り、周囲には物が溢れ、売り手は何とかそれを買わせようとしています。
この巨大な流れに抗するのには、人の意志だけでは、どうしようもありません。
人は、そこまで強くないからです。
では、どうすればいいか。
貯めたお金を、使えないようにする、「第2の仕組み」を作る必要があるのです。
たとえ話ですが、世界で、水が何よりも貴重となり、水道からは、毎月、決まった量だけの水しか出せないものとします。
このとき、配水管からバイパスを作って少量を樽に引き込み、水道を使うたびに少しずつ水を溜めていくのが、「第1の仕組み」である天引き預金です。
これにより、意志の弱い人でも、さほど意識せずに、貯金ができるようになりました。
ところが、せっかく水を樽に溜めても、足りなくなるたびに樽から取っていたら、未来永劫、水は溜まりません。
それを防ぐためには、樽には蛇口をつけないとか、蓋に錠をつけて簡単には開かないようにするなど、溜まった水を取り出せないようにする仕組みが必要です。
これが、「第2の仕組み」に相当します。