売り手側が、さらに消費者の買い物を増やそうとする試みは、止むところがありません。
立ち止まったら、自分たちが、倒れてしまうからです。
これまでた売り手は、いつでも現金が消費者の元に届くようにして、買い物への、物理的な障壁をなくしてきました。
次は、心理的な障壁をなくすべく、新たな仕組みを投入してきます。
それが、消費者金融と、分割払いと、現金がなくても買い物ができるクレジットカードです。
これにより、通帳に現金の裏付けがないと物が買えなかったのを、信用というものを担保にしてお金を貸し付け、物を買えるようになりました。
将来の給与などを質に取り、お金を貸して、まだ、もらってもいないお金を、前倒しで使わせようという企みです。
消費者金融は、いかにも借金だけど、次の2つは利息を払っていないから、借金じゃないと思う方も多いのではないでしょうか。
ですが、利息を取られないものの、まだ、存在しないお金を他者から借りるという点では、同じことです。
借金であるという実感がない分、貯金という目標にとっては、たちが悪いとさえ言えます。
しかも、買い物をした瞬間に、財布の中の現金が出て行くわけではなく、通帳の残高が減るわけでもないので、使ったという実感がありません。
お金を使うという抵抗感をなくさせて、どんどん買い物をしてもらうという、売り手の目論見通りです。
一時、カード破産などが急増したのは、そのためです。
気楽にお金を使っているうち、自分がいくら稼いでいくら使えるかという、金銭感覚が麻痺してしまうのです。