福島原発の汚染水(処理水)放出に伴い、中国で日本製品の不買運動が起こっているというニュースが流れている。
一説によれば、これは、中国政府による陰謀で、経済不調などによる国内不満を、ガス抜きさせるための、誘導の結果だそうである。
しかしながら、忘れた人も多いだろうが、1995年にフランスと中国が核実験を行なった際には、日本では、フランスと中国の製品に対する不買運動が起きた。
これは、別に日本国政府に誘導されたわけではない。
放射能をまき散らすことへの、市民の反発によるものだったのである。
中国から見た日本の汚染水(処理水)放出も、日本から見た中国の核実験と、似たような印象をもたらしているのだと思う。
いくら日本政府が、科学的に安心・安全をアピールしても、他国の政府のこと、信用できるものではない。
ただでさえ、中国国民にとっては、かつて自国を侵略した日本の政府の言うことだ。
実際、日本国内でさえ、福島産の農畜水産物に対する忌避が収まるには、10年かかっている。
それは、科学的な説明で納得できるものではなく、「何となく気持ち悪い」という、抑え難い印象なのだ。
何もかも、「中国政府の陰謀」のせいにしていては、国の道筋を誤りかねないといことを、国民も日本国政府も、しっかりと認識しておくべきだと思う。
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