日本の、対ロシア制裁への対抗措置として、ロシアは、日本との平和条約交渉を中断すると発表しました。
北方四島へのビザなし渡航や、共同経済活動協議も停止するとのことです。
2016年12月にプーチン大統領が訪日し、山口で安倍元総理と行なった、首脳会談の内容を全否定です。
もちろん、北方四島の返還交渉も、当分、開かれる見込みはありません。
今にして思えば、丸山元議員の主張は、正しかったわけです。
それにしても、こういう時こそ、安倍氏が総理大臣だったらと、残念でたまりません。
プーチン氏と27回の会談を行ない、個人的な友好を深めた安倍氏であれば、ロシアに乗り込み、ウクライナ問題の解決を図れたのではないでしょうか。
ならば、安倍氏を特使として派遣してはという意見もあったようですが、外務省は否定しています。
安倍氏自身、健康に自信がないのか、ファーストネームで呼び合うほど仲の良かったプーチン氏に、会いに行きたいとは言わないようです。
実際、せっかくロシアに行っても、自分の思いどおりにならないと、また病気が再々発してしまいかねません。
(安倍氏の病気が、仮病だとか詐病だとか言っているわけではありません。うまくいかないと、すぐに持病が出るようでは、少なくとも、総理大臣には向かないということです)
「時間が取れない」として、記者会見も断わりました。
その割には、派閥の会合に出て、核問題について演説する時間はあるようで、国会議員の時間の使い方というのは、不思議ではあります。
また、森喜朗氏は、プーチン氏が大統領就任後、初めて訪問した主要国首脳であり、「義理人情」のつき合いを続けてきたそうです。
そこで、森氏を、特使として派遣してはどうかという提案も、野党から出ているようです。
森氏は、プーチン氏が、北極海の開発で日本と手を組みたがっていると考えているようなので、そのあたりをバーターに、北方四島やウクライナの停戦を、交渉する余地はあるのではないでしょうか。
ただ、戦後の日本の外交というのは、対米従属、経済優先、事勿れ主義というのが、三本柱になっています。
アメリカの言うことには、正面から逆らわないようにしつつ、世界の中では突出せず、相手国の人権に問題があろうが、経済が悪くならない程度にうまくつき合っていくというもので、自ら何かを変えようというポリシーはありません。
南アフリカでも、アパルトヘイトには異議を唱えずにひたすら商売に徹して、名誉白人という不名誉な称号をもらって喜んでいましたし、中国の人権問題にも目をつむり、アメリカと並んで最大の貿易相手国となっています。
なので、今回もウクライナの和平に向けて、何らかの貢献をすることはなく、日本に何らかの面倒が振りかかってこないことを最優先に、目立たないように行動していくことでしょう。