2022年9月8日(現地時間)、イギリスのエリザベス女王が亡くなった。
96歳だそうだが、驚いたのは、わずか2日前の9月6日(現地時間)に、静養先でエリザベス・トラス氏と面会、新首相に任命していたということだ。
死ぬ直前まで、それだけの元気があったということで、まさに、ピンピンコロリを地で行く死に方であろう。
これで思い出すのは、長患いした末に亡くなった、昭和天皇のケースである。
といっても、昭和天皇は、好き好んで長患いしたわけではない。
死なせてもらえなかったのである。
昭和天皇は、1988年(昭和63年)9月19日に大量吐血した。
問題は、それからだ。
何しろ、そこから約4ヵ月にわたって、死なせてもらえなかったのだ。
その間、自衛隊の若い隊員が次々に呼ばれ、大量の輸血を行なったという噂話があったほどである。
天皇が亡くなったのは、1989年(昭和64年)1月7日、大量吐血してから110日後のことだった。
危篤状態が110日も続くとなると、これはまさに、拷問に近い。
まさに、ピンピンコロリの反対だった。
ja.wikipedia.org さて、エリザベス女王の葬儀は、恐らく国葬で執り行なわれると思うが、問題は、死去の、10日後とも14日以内とも囁かれているその日程だ。
10日後だとしたら9月19日、14日後だとしたら23日で、安倍元総理の国葬と、ほぼ重なってしまう。
各国の元首たちは、両方に出る余裕があるだろうか。
弔問外交は、1回で充分な筈だ。
安倍元総理とエリザベス女王を比べて、安倍氏の葬儀を選ぶ国は、まずいなかろう。
しかも、ヨーロッパからはイギリスの方が圧倒的に近く、日程は、間違いなく、エリザベス女王の方が先である。
ほぼ全員が、エリザベス女王の国葬に出席して、安倍氏の方は、ナンバー2とか3を出席させるのではないだろうか。
また、安倍氏の葬儀は、岸田総理のごり押しにより、国葬で行なうことに決まっている。
その上で、エリザベス女王が、自分の葬儀は国葬を行なわず、夫と同じ儀礼葬で行なうようにといった遺言を遺していたら、どうなるか。
イギリスの儀礼葬には各国元首が連なり、安倍氏の国葬は、重要人物が殆どいないということにもなり得る。
さらに心配なのは、エリザベス女王の葬儀より、安倍元総理の国葬の方が、豪華な式典だったら、どうなるだろうかということだ。
イギリスは、決していい気分はしないだろう。
しかも、その豪華な式典に、各国の重要人物は、殆ど列席しないのだ。
まさに、「悪夢のような」葬式になりそうだ。