『新型コロナワクチン誰も言えなかった「真実」:宝島社 鳥集徹 著』という本を読みました。
典型的な反ワクチン本で、この手の本は、『コロナ脳-日本人はデマに殺される-、小林よしのり・宮沢孝幸 著、小学館』以来です。
『コロナ脳』の方は、著者二人の対談形式でしたが、話が噛み合っているようで、微妙に噛み合っていないところが、かけ合い漫才のようで、何ともおかしかったです。
小林よしのりさんの主張は、一貫しており、コロナはただの風邪程度の、重くない病気であるのを、マスコミが無理に重症化する病にしたてて、煽って儲けているというものです。
ですが、慰安婦問題などで、相手を潰さんばかりに貶し合った、産経と朝日が、コロナでは、手を結んで国策に同調し、コロナを煽るなんてことができるものなのでしょうか。
それに、この本を出している小学館は、マスコミじゃないのでしょうかね。
また、小林氏は、自分はワクチンを打たないのに、アシスタントには必ず打たせるというので、それってパワハラではないのかとか、まあ、突っ込みどころが満載でした。
さて、今回読んだ『真実』は、ジャーナリストの鳥集徹さんが、4人の医師と、前出の宮沢孝幸准教授に対して行なった、インタビューから成り立っています。
最初の、長尾医師のインタビューが、最も興味深く読めました。
長尾医師は、本人はワクチン懐疑派にも拘わらず、町のかかりつけ医としては他に選択肢がなく、2021/5/27から2021/8/18までの83日間で、65歳以上の3,000人に2回ずつ、のべ6,000人にワクチンを打ったそうです。
新型コロナウイルスワクチンの接種費用は、事務費も含めて2,070円だそうですから、この接種により、クリニックは、2,070円/人*6,000人=1,242万円を得たことになります。
また、83日のうち日曜日が休みだとして、接種日数は72日間になります。
すると、1日当たりの接種回数は、6,000/72=83.3人ですから、
(iii)1日50回以上の接種を行った場合、1日当たり定額で10万円を交付する
という規定に従い、10万円/日*72日=720万円が付与されます。
1,242万円と720万円で、報酬の合計は、2,000万円です。
もちろん、長尾医師は、国の定めた方針に従って報酬を得ているわけなので、彼のクリニックが2,000万円を得ようと1億円を得ようと、何の問題もありません。
実は、最も興味深いのは、そこではありません。