長尾医師のインタビューで興味深かったのは、65歳以上の3,000人に、それぞれ2回のワクチンを打ち、その3,000人のうち、亡くなったのが、1人だけだというところなのです。
しかも、この方の年齢は100歳という超高齢である上に、亡くなったのは、接種後、1ヵ月以上もたってからだということです。
だとすれば、この長尾医師の話は、かえってワクチンの、安全性を物語っているのではないかと思ったのは、私だけでしょうか。
長尾医師は、もう1人、95歳の方がワクチンから1ヵ月半後から2ヵ月後に亡くなったという話をしていますが、この人にワクチンを打ったのは他の医師であったため、3,000人には含まれません。
また、「接種から1,2ヵ月後に亡くなった人は、私が知っているだけで10人ほどいます」という話もしていますが、それが事実なら、インタビューの時に、もっと詳しい話をしなかったのはなぜでしょう。
95歳や100歳の方が、亡くなった話をするよりも、その10人の話をすれば、もっとワクチンの危険性を訴えられたはずです。
それをしなかったというのは、恐らくこれが、他の医師から聞いた噂話でしかないからだと思います。
実は、この本の中で、読むに耐えるワクチン接種結果は、長尾医師の章だけなのです。
他の章は、「思う」とか「疑われる」とか「聞いた」とか、そんな言葉の、オンパレードであり、無責任な噂話と、ワクチンが危険だという根拠のない思い込みで、成り立っています。
インタビュアー氏はまだしも、日本で最高クラスの教育を受けているはずの医師が、何人も、わけのわからない理由でワクチンに反対しているのを見ると、教育というものの無力さを感じてしまいます。
まあ、コロナが5Gのせいだとか言っている、下のような医師よりは、まだましな方かもしれませんが。
余談になりますが、「新型コロナワクチン 誰も言えなかった「真実」」という、この本の題名を見て、「ミステリという勿れ」に出てくる、有名なセリフを思い出しました。
「真実は一つじゃない、2つや3つでもない、真実は人の数だけあるんですよ。」(ミステリと言う勿れ 1巻 44頁、田村由美、小学館)。
この著者たちにも、著者なりの真実があるのかもしれません。
また、この手の本を、次から次へと出版しまくる、大手出版社にも……。