安倍首相の後を継いだ菅首相も、前政権の負の遺産を払拭できず、コロナ対策では下手を打ちました。
有効な対策は、ワクチン接種以外にないと、一国の首相が製薬会社に出向いて頭を下げてまで、ワクチンを獲得し、一斉接種に邁進したところまでは、素晴らしかったと思います。
ですが、安倍元首相が、東京オリンピックを1年延期と約束してしまったため、ワクチンが間に合わず、緊急事態宣言の中、7月にオリンピックを強行開催する羽目になりました。
案の定、第5波の感染者は、7月から一直線に激増しました。
それでも、PCR検査や感染者用入院施設の増加といった、医療体勢を万全に整えておけば、ある程度の感染者が出ても、受け止めらたでしょう。
ですが、上記のような医療体勢を構築するには、時間も予算も必要であり、言ってすぐにできるものではありません。
安倍政権のところでも触れたように、官僚に命令しさえすれば、何でも解決すると思い込んでしまった弊害が、ここにも出てしまいました。
自宅療養を強いられた患者に、死者が出るに至って、医療崩壊という、これまでの日本では、経験したことのない事態になったことを国民が感じ取り、菅政権は倒れました。
政権の使命である、「健康で文化的な最低限度の生活を国民に送らせること」が、できなくなったと、思われてしまったからです。
岸田政権は、安倍・菅両政権の轍を踏まないように、鎖国を復活するなど、ひたすら安全運転を続け、第6波のピークアウトを待っています。
まさに、「羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)」という、諺の通りですが、内向き指向の日本人には合っているのか、比較的、高い支持率をキープしています。
ただ、内閣のメンバーを、かなり入れ替えたこともあって、ワクチン接種などの、コロナに対する積極的な対策という点では、足踏みしている感があります。
7月の参議院選挙のときに、感染者数がどうなっているかで、岸田政権が続くかどうかが、決まりそうです。