ロシアがウクライナに侵攻したのに伴い、ウクライナを逃れてきた人たちが、世界中へ避難しています。
これまで、日本政府は、殆どの難民申請を、門前払いしてきましたが、ウクライナ避難民に限っては、鷹揚に受け入れています。
難民など、どうにでもなれと明言しているならまだしも、形だけは難民条約に加盟しています。
それでいて、条文を厳格に適用することにより、申請者が、難民認定されないように、工夫してきたのです。
シリア、南スーダン、パレスチナなど遠い地域だけでなく、アジアのミャンマーからの難民申請さえ、殆ど受け入れていません。
同じ東アジア人である北朝鮮から、難民が来たとしても、「武装していたら警察では対応できないから、自衛隊を出して射殺するか」と言っていたほどです。
態度が異なるのは、日本政府だけではなく、一般の日本人も同じです。
難民を、厄介者か犯罪者予備軍のように考え、治安が悪くなったり社会が乱れると、受け入れを心情的に拒絶しています。
元々、日本人であった中国残留孤児が帰ってきたときですら、日本人社会は、温かな手を差し伸べようとはしませんでした。
このように、「日本で育ち、両親ともに日本国籍を持ち、日本人らしい容貌をした日本人」以外の人間が、社会に入ってくることを、極端に毛嫌いしてきた日本人ですが、今回のウクライナ問題だけは、なぜか事情が違っています。
いったい、なぜでしょう。
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