スリランカで、反政府
暴動が勃発し、ラジャパクサ大統領が国外に脱出した挙げ句に、辞意を表明しました。
ことの発端は、大統領一族の専権と失政による、経済危機でした。
政府に対する激しい抗議運動が起き、エスカレートしたデモ隊が大統領公邸に侵入したばかりか、首相の私邸に放火したとのことです。
これを聞いて、先年起きた、アメリカでの国会議事堂襲撃事件を思い出しました。
選挙結果を不服としたトランプ支持派が、扇動されて暴徒化し、国会に乱入して、長時間にわたって占拠した事件です。
このときは、「民主主義の危機」という言葉が、飛び交いました。
確かに、選挙で選ばれた大統領を、暴力で追放しようというのですから、選挙を基とする民主主義の、存亡の危機と言えます。
日本で、同じように国会占拠が起きても、恐らくそう言われるでしょう。
ところが、スリランカでは、暴徒が大統領を追い出しても、「民主主義の危機」という言葉は出てきませんでした。
ウクライナは、もっと極端で、暴動による政変が2度も起きています。
2004年、ウクライナでは、親ロシア派のヤヌコビッチ氏が大統領選で勝利した直後、結果を不服とするデモや暴動が起きた挙げ句、選挙のやり直しが行なわれ、ユシチェンコ氏が大統領に就任しました(オレンジ革命)。
ヤヌコビッチ氏は、捲土重来、数年後に再び大統領選挙に勝利しましたが、またも反政府デモにより、今度は故国を追い出され、ロシアに亡命しました(マイダン革命)。
どちらも、選挙によって選ばれた大統領が、暴力によってその座を追われた政変であり、本来ならこれこそ「民主主義の危機」と言われてもおかしくありません。
こうして、ウクライナやスリランカの政変を見ていると、「民主主義」とは何かと、考えさせられます。
今のところは、その正当さは、欧米のマスコミが判断しているようです。
倒された、スリランカのラジャパクサ大統領は親中派、ウクライナのヤヌコビッチ大統領は親露派でした。
親中派や親露派が倒される場合には、多少の暴力が介在しても、「民主主義の危機」とは呼ばれないようです。
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