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「平均気温が高くなると貧しくなる」なんてことが、起きるわけがない

 グラフの見方を見事に間違って、誤った結論を出している、面白い例が出ていた。

gendai.media

 「日本の平均気温が上がると、日本の1人当たりGDPが下がる」というもので、その根拠になっているグラフが、「世界各国の年間平均気温と、1人当たりのGDP国内総生産)」である。
 平均気温を横軸に、1人当たりのGDPを縦軸に取ると、右肩下がりになる。
 従って、平均気温が上がることにより、GDP(以下、1人当たりのGDPを言う)が下がって行くため、日本はもっと貧しくなるというのである。

 

 ちょっと考えると、おかしいことは明らかだ。
 もし、どこかある国の平均気温が上がるに従って、GDPが下がっているのなら、そういう見方もできるかもしれないが、ある瞬間のデータを取っているに過ぎないからである。

 

 平均気温が高い国というのは、どういうところか。
 名指しするようで申し訳ないが、赤道を挟んで、南緯20度から北緯20度くらいの間を取ればわかるように、アラブ、アフリカ、南・東南アジア、中央アメリカなど、ほぼ全てが、元々、GDPが低い国々だ。


 一方で、元々、GDPの高いヨーロッパ、東アジア、オセアニア、北アメリカなどは、平均気温が低い国に含まれる。

 つまり、元々、GDPが高い国というのは温帯の(相対的に平均気温が低い)国が多く、(平均気温が高い)熱帯の国々は、GDPが低い国が多いのだ。

 

 グラフは、それを示しているに過ぎないのだが、記事では一足飛びに、そこから日本の将来の姿を予測しているから、話がおかしくなる。

 おまけに、「平均気温が高い国々は、この先もGDPが高くなる見通しはない」と言っているのだから、それらの国々に対しても、ひどく失礼な話である。

 

 尚、誤解してもらっては困るが、私は、記事中の「暑くなると、勤労意欲が衰える」というのは、有り得ないことだとは言っていない。

 ただ、記事中のグラフからそれを導き出すのは、出鱈目に近いと言っているのである。

 加えて、温暖化がGDPに影響を及ぼすとしても、それは、日本だけでなく、他の国々も同じことだろうから、日本のGDPだけが下がって日本だけが貧しくなるというのは、おかしいだろうとも思う。

 

 この記事の著者は、 経済分析に定評があり、私もよく読んでいるだけに、残念だ。

 

 

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