「お金を貯めるためには、コンビニ通いはやめなさい」という記事が、氾濫している。
コンビニはスーパーより価格が高い上に、用もないのにコンビニに入り、欲しくもないものを、ついで買いしてしまうから、金が貯まらないというわけだ。
一見、筋が通っているようだが、コンビニに入らないようにして、そのお金を節約しても、それだけでは、お金を貯めることはできない。
なぜなら、コンビニは、「いらないものを提供してお金を使わせている」場所ではなく、「お金を使うことの楽しさ」を提供している場所だからだ。
コンビニに行かなくなったとしても、その人は恐らく、浮いたお金をスタバだったり、百均だったりで使う筈なのである。
どこかで、百均は、「500円で遊べる遊園地のようなもの」というのを、読んだ記憶がある。百均での買い物は、私でも楽しい。他の場所に売っていないものがいっぱいあり、しかも、「必要なものを、安く買えた」という、達成感を得ることができるからだ。
買い物は、最早、必需品を得るための手段ではなく、大事な娯楽なのだ。店は、顧客にいかに楽しく(かつ楽に)買い物ができるかを競い、愉しみを提供している。今や、この愉しみがないところでは、人は、そうそうお金を使おうとはしない。
だから、コンビニをやめれば百均へ、百均をやめればスタバへと、スタバをやめれば居酒屋へと、使う場所が変わるだけのことである。ちょっとした無駄や贅沢がないと、人間、生きていけないのだから。
この誘惑に耐え、どうしても、お金を貯めたかったら、その手段は一つしかない。「給与」などの収入から、一定額を「天引き」すること。そして、天引きした金を、簡単には使えないようにしてしまうことだ。天引きしたお金に手をつけない限り、コンビニで何を買おうと、推しに注ぎ込もうと、使い途は自由である。
天引きで貯めたお金を使いさえしなければ、自動的に貯金はできる。これが、どんな人でも、確実にお金を貯めることのできる、唯一の鉄則なのだ。勿論、投資や出世など、お金を貯める手段は、他にいくらでもあるが、最も確実なのは、天引きしかない。
ちなみに、昨今、「節約(とういうより吝嗇)」が流行っているが、その人たちは、まず間違いなく、天引きをしている筈である。それをせずに、節約だけでお金を貯めることは、不可能だと言ってもいい。
お金を貯めるのにまず大切なのは、使い方ではなく、貯め方なのである。FPや評論家などは、皆がそれに気づくと商売が上がったりだから、コンビニを悪者にしたり、ポイ活を勧めたり、トイレの掃除をさせたりと、まさに様々な手を使って、真実から目を逸らさせようとするのである。
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