森永卓郎氏の記事を受けて、こちらでも検証してみました。
単身世帯の男性が、65歳で厚生年金を受け取る場合を考えてみます。
男性の厚生年金の平均が、月額14万6千円ですから、12倍して年間175万4千円。
この条件で世田谷区の場合、税・社会保険料負担が年間で17万1千円となるため、176万4千円から17万11千円を引いて、手取りが年間159万3千円となります。
65歳男性の平均余命が約20年ですから、この人が平均寿命の85歳まで生きた場合、159万3千円*20年で、約3186万円をもらうことになります。
一方、75歳で厚生年金の受給を開始する場合、厚生年金は84%増えますから、14万6千円*1.84で、月額26万8千円、12倍して、年間の受給額は、322万3千円となります。
ここから、税・社会保険料負担の52万7千円を引くと、手取りは年間269万円となります。
これを、75歳から平均寿命の85歳まで10年もらうとすると、手取りの総額は、約2690万円となります。
65歳から受給を開始する場合が、3154万円でしたから、手取り総額は、464万円も少なくなります。
このように、繰り下げ給付で、かえって手取りの総額が減ることがあるというのは、事実です。
なので、経済状態によっては、早目に年金をもらい始めて、若いうちに贅沢しておくのも手ですよと言っているわけです。
(この項、続きます)