1億円貯めて、会社を辞めました。

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寿退社は、古き良き昭和の遺物

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 先日、興味深いコラムを読みました。

www3.nhk.or.jp 「寿退社」という言葉は、今や死語になっているとのことです。
 
 面白かったのが、若い人に、寿退社の意味を訊ねてみたところ、「定年まで勤め上げてめでたく退社すること」との回答があったとのことでした。
 確かに、今の世の中ではそれが一番、めでたいことかもしれません。
 
 言うまでもありませんが、寿退社の本来の意味は、(主に)女性が、結婚を機に会社を辞めて、専業主婦になることを言います。
 
 それが死語になっているということは、現在では結婚してすぐ仕事を辞める人は、殆どいないということですね。
 もちろん、結婚相手が遠方に住んでいるとか、転勤になるとかで、会社を辞めてついていくというのは、今でもあると思いますが。
 
 ですが、かつては、結婚したら、当然女性は辞めるものであるという、有形無形の圧力があったのが、日本の会社でした。
 
 何しろ、結婚したら辞めるというのが、規則化されている会社もあったそうです。
 また、自己都合での退職は、通常、退職金がかなり減額されるのですが、寿退社に限っては、それが適用されないということも、多くありました。
 
 OL進化論の32巻85頁に、「昭和おとぎ話」という話があります。
 短大卒で、親のコネで商社に入って、夫と社内結婚して23歳で寿退社、専業主婦で子供は3人という母親を、娘が古き良き日本だと羨ましがる話です。

kc.kodansha.co.jp 確かに、80年代は、結婚した女性の大半が辞めていました。
 
 辞めないと、「へえ、あの人、結婚したのに辞めないんだ」と、変な目で見られるような雰囲気でした。
 「奥さんが家のことをしてくれないんじゃ、旦那さん、大変だろうな」という、同情もあったかと思います。
 

 そもそも、会社が女性を大量採用する目的の一つが、社員の結婚相手の確保だったという説もあります。
 このマンガのように、3,4年で社内結婚して辞めてくれるのが、まさに会社の思惑通りだったわけです。


 それからわずか数年、1993年に出た、広瀬香美さんの「恋人募集中」という曲には、「30歳(みそじ)までに寿退社」という歌詞が出ていました。
 それを聞いたときには、「今どき寿退社?」と思った記憶があります。
 
 すでにその頃には、寿退社が当たり前という雰囲気が、消えかけていたのでしょう。
 だからこそ、ちょっとユーモラスな歌詞にしたのではないでしょうか。
 
 そして、今や寿退社どころか、ずっと共働きをしないと、暮らしていけない時代です。
 この状況は、当分、変わることがないと思われます。
 
 これから、結婚しようと考えている人たち(特に男性)は、社会に出る前から、その心構えをしておいたほうが、いいと思います。
 具体的には、二人で家事を公平に分担するのが、当然の生活になるということです。