ところで、一時、世の中では、年金はあてにならないという風潮がありました。
日本の少子化と、低い経済成長という状況を考えれば、近い将来、年金制度が破綻するというのです。
なので、国の年金はあてにせず(下手をすると、国民年金の保険料も納めず)、個人年金などのさまざまな金融商品を、積み立てるべきだという論法でした。
ですが、少しだけ冷静になって考えてみて下さい。
年金制度が破綻するというのは、日本の経済が、ほぼ無茶苦茶になった状態です。
そんなことになったら、個人年金を取り扱う民間の金融会社は、軒並み潰れていると思いませんか。
国の年金制度が潰れても、個人年金だけが生き残っていると思う、根拠は何でしょうか。
確かにこの先、受給額は減るかもしれません。
受給の開始年齢も、現在の65歳から70歳にする準備が、着々と進んでいます。
しかしながら、それが、即破綻ではありません。
破綻することを前提に、老後を考えるのは、あまりに危険です。
個人年金に入るのが悪いとはいいませんが、老後の生活設計は、自分の貯金と国の年金をこそ、中心に据えるべきでしょう。
そして、個人年金の方は、あると嬉しい小遣い程度に留めておくのが、堅実なやり方だと思います。