さて、(やっと)本題に入ると、この夫婦は、医療費が「破綻寸前」なほどの高負荷になっていると、訴えている。
・夫には、高血圧と糖尿病の持病があり、月3回は病院へ通院している。
・妻の方は、更年期障害で、週4回、通院している。
・収入の合計額が520万円以上であるため、自己負担が3割負担となり、医療費が重くのしかかっている。
というものだ。
筆者のFP氏は、繰り下げ支給をして年金額が増えたばかりに、医療費が3割負担になり、負担が大きくなったと述べている。
調べてみたところ、「同世帯に、前年の住民税課税所得が145万円以上の方がいる場合」は、医療負担は3割となり、「世帯に被保険者が2人以上いて、被保険者全員の前年の収入合計額が520万円未満」の場合に限り、申請が認められると1割になるという。
この制度は、私も初めて知った。
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確かに、収入520万円から、医療費が3割負担となる決まりがあるのに、それを知らず、わずかに越える522万円の年金を受け取っているがために、3割負担になってしまうのは、割が合わないと嘆きたくなる気持ちはわかる。
知っていれば、年金が、522万円を越える前に、繰り下げ受給をやめるなり、調整していただろう。
この点では、「年金を繰り下げ受給して、損をした」という夫の言葉は、まるっきり嘘ではないと言えよう。
だが、夫婦の医療費は、家計を破綻寸前にするほど、大きいものなのだろうか。
(続く)