女性の立場からしても、これからの時代、共稼ぎは必要です。
夫の収入だけに頼る生活が不安定なのはもちろんですし、「自分で稼いだお金」というものがあるのとないのとでは、人生の自由度が違ってきます。
そして何よりも、貯金・年金の不足問題は、女性のほうが深刻だからです。
男性の平均寿命が80歳なのに対して、女性の平均寿命は、86歳です。
男性の平均寿命よりも6年も長く、90歳どころか、100歳まで生きるのも、珍しくない時代です。
加えて、日本の夫婦は、夫の方が年上の場合が多く、ほぼ2年の年齢差があります。
つまり、妻は、夫が亡くなってから8年間を、一人で過ごさなければなりません。
もちろん、これは決して寂しく不幸な生活ばかりではなく、私の母親などは、手のかかる父親が死んでから、別人のように解放的になって一人暮らしを満喫しています。
ただ問題は、その際の経済状況です。
妻が専業主婦で、夫がサラリーマンだった夫婦の場合、妻が先に亡くなっても夫の年金受給額は変わりません。
2人でもらっていた分を1人でもらうわけで、経済的には楽になりさえします。
ところが、夫が先に亡くなると、専業主婦だった妻がもらえる受給額は、遺族年金となってかなり減少します。
いくら減少するかは、条件によって異なり、ネットにいろいろな試算が出ていますが、自分の場合にぴったりくる条件を探し出すのはなかなか難しく、年金事務所に直接行って聞くのが、最も確実です。
一方、妻が専業主婦ではなく、働いていて厚生年金をもらえる立場であれば、夫の遺族年金と自分の厚生年金を比較し、多い方を選択することができます。
会社員や公務員としてずっと働いていれば、厚生年金の額は、夫の遺族年金よりも多いことが結構ありますので、是非とも年金事務所で確かめて下さい。