筆者の場合は、お金が1円でも減るのが嫌だから、全額、普通預金に入れてある。
銀行からは、いい投資の話があるからと、しょっちゅう電話がかかってくるが、話も聞かずに、全て断わっている。
繰り返すように、1円でも損をするのが、嫌だからである。
世の中の本や記事は、「利率が全くと言っていいほどつかない、普通預金に預けておくなんて」と、人を馬鹿にしたような言い方をして、何とか投資に誘い込もうとする。
だが、普通預金のいいところは、何をどうやっても、金額が減らないというところだ。
しかも、手数料はかからないし、銀行が潰れても、1千万円まで保証してくれる。
それに、いざとなれば、いつでも降ろせるということは、大きい。
何しろ日本の場合、いつ、天災が襲ってきて、現金が必要にならないというものではない。
もちろん、インフレが押し寄せたら、目減りはするが、これはもう、心配しても仕方がないものだと諦めている。
どの道、投資であっても、急激なインフレには対応しきれないし、インフレよりも、天災の可能性の方が大きいと思うからだ。
かつては筆者も、会社の持株会に入っていた。
とはいえ、売り時を完全に間違え、損こそしなかったが、殆ど儲けることはできなかった。
それで悟ったのが、「自分には投資の才能はない」ということだ。
リスクのある投資をする人間は、大抵、「自分なら、人よりうまくできる」と思っている。
安いときに買って、高い時に売るのだから、こんな簡単なことはない筈だ。
それでも、損をする人はいる。
プロでさえ、勝敗は60%を越えないという話もある。
ともかく大事なのは、自分の立ち位置を考えるということだと思う。
リスクを負っても、儲けたいという人は、それを承知して賭ければいいと思う。
だが、投資を宣伝しているセレブや有名人と、一般人は、そもそもの立ち位置が違っている。
俳優など、億を越える借金を背負っても、それを返して仕事に励んでいるという話を、よく耳にする。
彼(女)らは、投資した金をすべて失っても、また稼げるが、一般人はそうもいかない。
特に、筆者のように、還暦を越え、しかも会社を辞めたら、一度失った金を取り返すチャンスはない。
だとすれば、世の中の90%の人が儲けていても、自分が10%の負け組になる危険性を考えれば、リスクを負うことは、絶対にできない。
貴重な老後の資産である退職金を、銀行や証券会社の甘言に乗って投資に回すなど、もっての外なのである。
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