ジェイソン氏も井上氏も、10年間そこそこで、1億円を上回る資産を得ており、素晴らしい成績です。
これは、二人ともが、海外のインデックスファンドに、長期投資を行なったことによります。
ですが、我々がこれを真似できるかというと、そう簡単ではありません。
まず、二人とも、かなりの節約家であり、お金を使うくらいなら、その分を投資に回すと明言しています。
つまり、何よりも、資産の数字が増えることに喜びを感じるタイプで、1億円貯めるために、数千万円を投資しています。
そうでないと、ここまでは、貯まりません。
個人的には、あまりケチケチするのはどうかと思いますし、家族が不満を抱かないか心配です。
それでうまくいっているのなら、他人がとやかく言うことでもないのですが、凡人には真似ができません。
次に、インデックスファンドだけでは、これほど多額の資産を得ることはできません。
既述したように、井上氏の資産の3分の2は、不動産投資によって得たものですし、ジェイソン氏の場合は、企業の取締役である上に、副業として芸能人の稼ぎもあります。
とても素人が、真似できるものではありません。
また、二人は作中で、リーマンショックのことについて、触れています。
これは、リーマンショックのおかげで、かなり割安な価格で株を購入できたというだけではありません。
投資の初期に、リーマンショックが来たことが、よかったのです。
もし、リーマンショックが、二人が投資を始めてから20年目くらいに来たら、どうなっていたでしょう。
あのときは、せっかく貯めた資産が、数分の1になってしまうほどの値崩れを起こし、自殺者も出ました。
ジェイソン氏のお父さんでさえ、損切りを覚悟で、株を売ってしまったそうです。
それが二人の場合は、最初の頃に、リーマンショックが起きたおかげで、さほどの損をすることなく、かえってそれをチャンスと捉えることができました。
また、そのおかげで、コロナショックの際にも、慌てずにすんだとも言えます。
その意味では、幸運とも言えますし、その幸運を逃さずにものにできた、二人の才能が大したものであることも確かでしょう。