コロナ禍で、日本人は、一部の反対派を除いて、律儀にマスクをしています。
初期の頃に、日本で感染者数が少なかったのは、遺伝的な原因に加えて、風邪を引いた程度でも、マスクをする習慣があったからとも言われています。
日本人を始めとする東洋人は、相手の目もとを見て、その感情を判断するため、マスクをしても、違和感がないとされてきました。
ただし、日本でさえ、コロナ禍のまさに直前(2019年12月)に、接客時のマスクを禁止するという店もありました。
インフルエンザなどにかかっている、従業員がいる可能性を考えれば、ひどい処置だと思ったのを、覚えています。
一方、西洋人は、最初の頃から、異様なほどにマスクを嫌っていました。
コロナ禍が始まったばかりの、2020年頃においては、西洋人がマスクをしない理由として、相手の口もとを見て、その感情を判断することに慣れているからだという、論調が大半でした。
マスクをすると、相手が何を考えているかがわからなくなり、気持ちが悪いという理屈です。
確かに、コロナ禍が始まったばかりの頃には、マスクの効果も限定的だと考えられており、WHOでさえも、感染者とその周囲の人のみがすべきだと言ってきました。
そういう状況であれば、さほど効果のない割に、不気味に見えるマスクを、敢えてしなくてもという気持ちは、わからないでもありません。
しかしながら、2年が過ぎ、今やマスクは、感染防止に非常に効果的であることが、世界中で知られています。
ワクチンを打っても、マスクをしないと感染する恐れがあることも、それなりに知られているはずです。
それでも、大半の西洋人は、法律で強制されない限り、頑としてマスクを着けようとはしません。
そこまで、マスクを嫌がる理由は、いったい何なのでしょう。
相手の表情がわからないという問題だけであれば、他人のことは構わず、予防のために、自分だけでもマスクをすればいいという気がします。
他人、或いは政府に、服装を強制されるということが、それほど嫌なのかとも思いましたが、ネクタイなどのドレスコードに対しては、唯唯として従っているようです。。
或いは、日本人が気づかない、宗教的な問題でもあるのでしょうか。
(この項、続きます)