煙草は、犯罪の原因になったことがないのに、なぜやめなければならないのかとよく言われます。
ですが、それは逆です。
煙草は、さほど害がないと思われ、禁止されてこなかったため、庶民にも買える価格で、ふんだんに供給されていたから、犯罪の原因にならなかっただけのことです。
供給が止められれば、価格が高騰し、煙草を購入できなくなってイライラした人が、たやすく暴力をふるいます。
また、密造・密売が横行し、暴力団の資金源になって、抗争も頻発するでしょう。
実際、先日も、電車内で喫煙を注意され、相手に暴行した男が、逮捕されています。
今は、禁煙外来というのがあって、禁煙治療に、健康保険が効くようになっています。
嗜好だと考えられていた喫煙に対し、健康保険が効くようになったこと自体が、煙草の依存症が医学の領分であることを、示しています。
依存症の治療というのは、自分が依存症であることを、認めるところから始まるそうです。
alcoholic-navi.jp ところが、喫煙者が、自分が依存症(=病気)だと納得するのは、容易ではありません。
麻薬やアルコールと同じく、煙草においても、依存症にかかった人は、さまざまな理由をつけて、自分を正当化しようとします。
極端なのが、下記の記事です。
「禁煙すると、ぼうっとして体に力が入らず、仕事に支障をきたす。だから、煙草は自分の健康には必需品」とあります。
これこそが、依存症の明白なしるしであり、しかも、自分では依存症になっていることに、気がついていません。
煙草をお酒に変えて、読み直してみれば、よくわかります。
「お酒を飲まないと、ぼうっとして体に力が入らず、仕事に支障をきたす。だから、お酒は、自分の健康には必需品」
どう考えても、病気です。
知人で、朝からビールを飲む人がいましたが、ゾッとしました。
朝から煙草を吸わずにはいられない喫煙者も、それと同じだと思うべきです。
ニコチンが、神経を興奮させるメカニズムが、下の記事に出ています。
神経は、いつも興奮したままではいられないので、ニコチンが入らない場合には、感度を下げます。
すると、脳は、ぼうっとして頭が働かなくなり、それが昂じると、イライラしてきます。
煙草を吸うと頭がスッキリするというのは、ニコチンが補充されてイライラが消え、やっと通常の状態に戻るだけのことなのです。
それにしてもこの方、政治の世界で、それなりの立場にいた人のようですが、煙草を吸えずにイライラしていた時間の、日本の政治は、大丈夫だったんでしょうか。
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