『スマホのせいで、子供たちが簡単な漢字さえも、書けなくなっている』という、問題提起が出ていた。
新しい技術が出ると、こういう余計な心配をする、懐古派の人間が、必ず出てくる。
ちなみに、上の記事にもあるが、ワープロが普及し始めた頃にも、同じ話があったし、字が下手になるという話もあった。
自動車のオートマが出た頃は、運転が下手になると言われ、テニスで面積の大きなデカラケは、真ん中に当てる基本の練習ができないから、下手になると言われた。
電卓が普及し始めた頃は、子供たちが九九を覚えなくなるとか、計算能力が落ちるとか、いろんな理屈が飛び交った。
ゲームは、『ゲーム脳』が有名であり、科学的に否定されているにも拘わらず、時間を規制する条例が出るほど、害が謳われている。
現代の状況を見ればよくわかるように、懐古派の指摘の大半は的外れで、ぼろ負けである。
浅沼社会党党首がナイフで殺されたとき、子供に刃物を持たせなくなったら、鉛筆を削れなくなって、手先が不器用になると言われた。
今どき、ナイフで鉛筆を削れなくても、誰も困りはしない。
どこで見たのか忘れてしまったが、こんな秀逸なジョークがあった。
「今の子供は、不器用で、鉛筆もナイフで削れないんだろう」
「鉛筆は削れないけど、スマホの保護フィルムは綺麗に貼れるよ。おじさん、できる?」
「……」
今で言うなら、こういうことだ。
「今の子供は、鉛筆で漢字が書けないんだろう」
「鉛筆では書けないけど、PCのキーボードも、スマホのフリック入力もできるよ。おじさん、できる?」
「……」
(続く)