先日、元JAXA専門家が、宇宙アニメ「プラネテス」に対し、「何処が面白いんだ」と、批判しました。
作者は、フィクションなので、それを踏まえてお目こぼしをと、コメント。
その後、色々あって、結局、元専門家が謝罪したそうです。
謝罪文にある、「分をわきまえない投稿」というのが、よくわかりませんが、もしかしたら、どこからか圧力のようなものがかかって、謝罪を強いられたのかもしれません。
元JAXA専門家の気持ちは、わかります。
私も、自分が専門家とまではいかないまでも、それなりに詳しい分野のことを、フィクションにされると、つい突っ込みを入れてしまいます。
事実と全く反することを、堂々と語られると、やっぱり気になってしまいますから。
ただこの方、アニメの話が面白くないのと、キャラが気に入らないのと、科学的に間違っているのと、自分の仕事に迷惑なのと、全部ごっちゃにしてしまっています。
アニメのキャラなどに対する個人の感想を、元JAXA専門家という肩書きで書いたものだから、話がややこしくなって、炎上してしまいました。
加えて、20年も前のアニメに、専門家として科学的に間違っていると突っ込むところも、かなり野暮ではあります。
さらに大きな問題は、宇宙開発に従事するという立場の人として、宇宙開発に関するアニメを貶すというのは、極めてまずい態度だったというところです。
アニメで注目されることにより、人も金も集まるというルートを、自分の手で閉ざしてしまうだからです。
宇宙開発という分野は、すぐに、人の役に立つようなものではありません。
おまけに、多大なお金がかかるため、常に、予算削減の圧力にさらされているはずです。
この方は、今はJAXAを退職して民間にいるのですから、寄付などのお金集めも、しなければならないでしょう。
加えて、ものになるかどうかわからない分野には、なかなか優秀な人材が集まりません。
アニメや映画になるというのは、花形でない分野に従事する人間にとって、そういう問題を、解決するチャンスでもあります。
どんな荒唐無稽なフィクションでも、世の中に注目してもらえるというのは悪いことばかりではないのに、気に入らないからと、頭から腐しては、人も金も逃げるばかりです。