先日読んだ記事に、なかなか馬鹿馬鹿しいものがあったので、紹介してみる。
要約すると、『世の中で他国を征服しようとするのは、中国、ロシア、ドイツ、フランスなどの大陸にある国だけである。イギリスや日本、アメリカなどは、海という「最強の防壁」があるから、政治がリベラルで寛容なものになり、他国を征服しようという野心はもたない』というものだ。
どうやら著者は、第2次世界大戦前の日本が、台湾、朝鮮などを植民地化し、満州から中国本土まで攻め入ったばかりか、フィリピン、インドネシア、マレーシアなどを、次々占領したことを、綺麗さっぱり忘れていると思われる。
いや、それはあくまでも日本本土を守るための、仕方のないことだというのかもしれないが、だとしたら、「自国を守るために」ロシアがウクライナに攻め込んだのと、どう違う?
日本だけでなく、イギリスは何度も海を渡ってフランスに戦争を仕掛けており、近代でも、インドを始めとする世界中の土地を植民地化している。
アメリカも、メキシコに戦争を仕掛けて領土を広げたばかりか、スペインと戦争してフィリピンを奪っている。
海洋国家と大陸国家との違いは、他国を征服・戦争するかどうかということは、何の関係もないのである。
著者はこの矛盾を、「海洋国家の戦略は「領土を広げること」ではありません(植民地など、領土を広げたこともありましたが)。」という一言で片付ける。
こういう、都合の悪い事実は無視し、無視できないところはこじつけるのを、『牽強付会』と言う。
ちなみに、日本の今の政治がリベラルで寛容(本当に?)なのは、第2次大戦後にアメリカに占領されて、それまでの政治制度がひっくり返されたからで、戦前の政治は、とてもリベラルで寛容と言えたものではなかったのである。
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