しばらく前に、真空マグを買った。
冷たい飲み物を、冷たいままにしておくのは得意だが、せっかく断熱構造になっているのだから、熱い飲み物の温度をキープする、保温の効果も期待していた。
だが、やはり暖気は上昇するため、熱が上に向かって漏れていき、保温能力は、殆どないに等しいということを、確認する羽目になった。
そこで、上昇して漏れていく熱を遮るべく、百均でシリコンの蓋を買った。
蓋をすると、少しは冷めるのがましになったが、五十歩百歩の気がする。
ところで、この蓋の宣伝文句が、マグに蓋を被せて真ん中を押せば、内部の圧力が下がって蓋がマグに密着し、倒れても内部の液体がこぼれないということだった。
買った直後は、なるほどと思ったが、いざ使ってみると、疑問が湧いてくる。
倒れたら、蓋のはみ出した部分が床に当たる。
そうすると、いくら圧力がかかっていても、蓋がずれて、中身はこぼれるのではないだろうか。
というわけで、実験してみた。
中に水を入れ、台所で倒してみたのだ。
結果は、思った通り、蓋のはみ出し部分が床に当たり、蓋が外れて中身はこぼれた。
それだけの話である。