「カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義(甲斐谷忍著、集英社)」というマンガが面白い。
経済学の加茂教授が、人をカモにしようとしている連中を、退治していく話である。
この著者らしく、相手の欲を利用して巧妙に誘導し、自分の思いどおりに操っていくところが、小気味よい。
特に感心したのが、マルチを潰すべく参加した集会での、教授のセリフだ(第14講義「本物とニセモノ」)。
教授は、1億が入ったトランクを、参加者に見せつけ、お金を稼ぐ手段を聞かれて、「本物を見つけてそれに投資しろ」と言う。
そして、本物とニセモノの見分け方として、その人の自己アピールを聞くことを提案するのである。
教授>メジャーの大谷翔平や、iPS細胞の山中教授は本物だから、アピールは誰にでもわかりやすい
教授>ニセモノは、『何とかビジネス』とか、よくわからないことを言う。
教授>ビジネスの内容を突っ込まれないために、『今や○億稼いでいます』と言うのが常套句。
確かに、あちこちのネットの記事やYouTubeで、「株で○億稼いだ」とか、「ブログで年収数億」とかいうアピールが溢れている。
教授のセリフを聞けば、そういう連中が、いかにも薄っぺらく見えてくる。
ここまで書いて気づいたのだが、考えてみれば、筆者も、1億円貯めたことを売りにしている。
但し、「絶対儲かる」投資の話や、怪しげなビジネスの話はしないので、ブログを読んで、損をすることはないと思う。