何度か引用しているが、野村総合研究所の分類によれば、資産1億円以上5億円未満を富裕層、それ以上を超富裕層という。
貯金1億円の我が家も、辛うじて富裕層に引っかかっている「一応、富裕層」だが、新たな収入がないので、今後は、使っただけ確実に目減りしていく。
よって、数年もしないうちに、その下の準富裕層に落ちることは、自明の理だから、もうすぐ富裕層の一員としての発言ができなくなる。
なので、今のうちに、好きなことを言っておこうと思う。
さて、上記野村総研の調べによれば、故安倍氏肝煎りの経済政策、アベノミクスの影響もあって、富裕層・超富裕層は、その資産も世帯数も増えているのだとか。
実際、2011年から見れば、超富裕層の資産は2倍以上、世帯数も1.7倍に増えている。
その下の層の伸びに比べると、圧倒的である。
アベノミクスを始めたときは、最初に富裕層・超富裕層が富を稼ぎ、そのおこぼれがトリクルダウンして、下の層にも恩恵がいくとされていた。
だが、十年たってこれでは、下の層には、殆どおこぼれが回ってきていないということである。
何しろ、アベノミクスは、株を人為的に上げて上の層にお金を集める努力はしたが、下の層に分け与える努力はしなかった。
厳密に言えば、初期に故安倍氏が、会社に無理やり賃上げを迫ったことはあったが、殆ど成功しなかった。
思い出すのは、旧ソ連などの共産主義国家指導者が言っていた、「いずれ我が国は、アメリカなどの資本主義国に追いつき、追い越すであろう」というフレーズだ。
今は苦しいが、いずれは国全体が豊かになるから、それまで不平等を我慢しろという意図だった。
もちろんそれは、指導者たちが、富のほぼ全てを搾取していた言い訳に過ぎず、不平等は、国が終わるまで続いた。
ちなみにソ連のジョークでは、指導者の言葉に対して国民が、「追いついたところで、わしだけ降ろして下さって結構です」と返すのである。
それを考えれば、10億人もの民のうち、2億人とも4億人とも呼ばれる人々を中産階級にした、中国指導部の能力は、大したものである。
話がずれてきたので、続きは明日に。