アーリーリタイアすることに批判的な、年配の男性が言う言葉に、「無理にFIREを達成して、仕事を辞めることを目指すくらいなら、『どうしても嫌な仕事』を辞めて、転職するなどの方針転換をしたほうがいい」というものがあります。
ですが、経済的な自立を得ない状態での転職は、リスクも伴います。
転職の失敗例は、成功例と同じほど、ネットで見つけることができます。
一度失敗して、その次の転職ともなると、特に日本では仕事を選ぶ我儘な奴という見方をされかねません。
私も仕事が嫌で、その上に、島流しのような転勤を強いられ、思い余って転職エージェントに登録しましたが、かなりニッチな職種にいたのと、バブルが弾けた直後であったため、転職先など全く見つかりませんでした。
厳密に言うと、同じような職種で1つだけ話があったのですが、あまり将来性のありそうな会社ではなかったのと、そもそもその職種自体、あまり発展性があるように思えず、断わりました。
かなり貯金もありましたが、とてもそれを頼みに、人生を賭けるほどの度胸もありませんでした。
大半の人が、そんなものだと思います。
結果として、私の決断は正しかったようです。
何しろ転職候補だった会社は、私が定年まで勤め上げた会社に、買収されてしまったのです。
似たような業種で、元の会社よりもかなり小さな会社でしたので、有り得ないことではありません。
今でも、あのとき転職していたら、どんなことになっていたかと、思うことがあります。
そのときは、数年我慢して島流しが解け、結局、転職はしませんでしたが、数年後、また、転職を考える機会がやってきてしまいました。
部署が消滅して職種転換を強いられ、やはり、これは転職するしかないのか、という状況になったのです。
今度も、年齢がいっているせいもあって、転職エージェントからの話は殆どなく、1社だけ受けた面接では、散々でした。
いきなり、「うちは残業が○○時間しか出ないけれど、頑張っていれば、賞与でその分は補填するような形になるから」と言うのです。
私のいた会社よりも大きな会社でしたが、コンプライアンスに関する姿勢を、疑わずにはおれませんでした。
それが態度にも出ますから、当然、選考は不可です。
負け惜しみに聞こえるかもしれませんが、合格しても、こちらから断わったと思います。
このように、「『どうしても嫌な仕事』を辞めて、転職するなどの方針転換」と口で言うのは簡単ですが、新卒で就職した会社から離れ、より良い新天地を見つけるというのは、かなり大変です。
私の場合も、その時点でFIREできるだけの経済的自立を得ていれば、もう少し余裕もできて、事態も変わっていたかもしれません。
いつも、読んでいただき、有り難うございます。
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