60歳で定年退職した段階で、1億円の貯蓄と月30万円もの年金があった東証1部の元部長が、70歳で生活が破綻しそうだという記事が出ていました。
今年70歳なら、60歳から年金(しかも30万円という高額)が出ていますし、その時点で1億円あれば悠々自適だろうに、投資などで損失を出したのかと思いきや、そもそも前提が違っていました。
何と65歳で、6千万円のマンションを、即金で購入したということです。
もしかして、この夫婦は、それまで持ち家がなかったのでしょうか。
或いは、家を売ってマンションを買って、その差額が6千万円ということなのでしょうか。
どちらにしても、1億円からマンションの6千万円を引くと、4千万円です。
60歳の年金受給開始時に4千万は、決して少ない額ではありませんが、2千万円問題からもわかるように、それほど贅沢のできる金額でもありません。
記事では、妻が認知症になって老人ホームに入ったのを、転落の原因のように書いてありますが、そうではありません。
4千万円の貯金しかないのだから、その額に見合った生活をすべきなのに、それができなかったことが、問題なのです。
持ち家があれば、1億円は充分な金額ですが、この方の場合は、元々、4千万円の貯金しかなかったということなのです。
それを、一時的に得た最大貯金である、1億円のイメージをいつまでも持ち続けたために、高級車を買ったり、妻を高級老人ホームに入れるなど、身の丈に合わない生活をしてしまったのが、転落の原因になってしまいました。
それを理解して読まないと、「この夫婦は、妻が認知症になるという不運が起きただけで、それがなければ、充分にやっていける」といった、間違ったメッセージを受け取ることになるでしょう。
ちなみに、残った貯金は1千万円で、いつそれがなくなるかと、戦々兢々としているとのことですが、対策は明らかです。
1)マンションを売る、又は貸す。
2)妻の老人ホームを、安価なところに変えられないか、検討する。
要は、自分たちの経済状況がどのレベルにあるかを把握し、身の丈に合った生活に変えることができるかどうかです。
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