日本は、アジアでは強国ですが、世界に出ると、まだまだ弱小に近い国です。
弱小には、弱小の戦い方があります。
ですが、なまじっかアジアで強いばかりに、監督が勝利のために守備的な戦術を取ろうとしても、選手も周囲も、なかなかそれを理解してくれません。
なので、練習試合で良い成績を収められず、しかもGLの組み合わせが悪いという今回のような大会は、危機感をチームに行き渡らせるチャンスでもあります。
そもそも、クラブサッカーと代表のサッカーは、目標とするところが異なります。
クラブのサッカーは、サポーターの期待に応えるのが目標であり、それは、必ずしも勝利とは限りません。
極端な話ですが、スペインのバルセロナFCは、独特のプレースタイルを追及したチームです。
そのパスサッカーは、まさに芸術品と言われ、「醜く勝つな、美しく負けろ」と言われたほどです。
そのスタイルに惚れた人たちが、サポーターとしてクラブを支えます。
守備を固めてカウンターという、勝利のみに拘るサッカーでは、誰もバルセロナを応援しないでしょう。
美しいサッカーをしながら勝つという、非常に困難な目標に向かって進んでいるからこそ、他のチームのサポーターまでもがバルセロナを応援し、世界で2番目に好きなチームとさえ、呼ばれているのです。
同じスペインで、常に勝利を義務付けられているレアルマドリードでさえ、優勝したカペッロ監督を、1年でクビにしました。
あまりに守備的なサッカーをするので、面白くなく、人気が出なかったからです。
これに対して、代表チームの目標は、あくまでも勝利することです。
中でも、W杯が唯一の舞台であり、これに出場して勝つためにのみ、存在します。
他の試合は、本番であるW杯までの、練習に過ぎません。
極端な話、他の大会でいくら優勝しても、W杯に出場すらできなければ、すべてが帳消しになります。
一方で、W杯で予選をプレーオフで何とか勝ち上がり、GLを最下位で通過し、トーナメントを1点も取れずに引き分けて、PK戦で勝ち上がっても、優勝すればすべてが許されます。
そこには、スタイル云々の入る予知はありません。
勝てる監督と、勝てる選手を選び、勝てる戦術を取らなければなりません。
個人的には、日本が今できるのは、守備を徹底的に固めることだと思っています。
サッカーは、最も点の入りにくいスポーツです。
試合の大半は、1-0か、0-0となっています。
ということは、相手に点をやらないで、固く守るという守備的戦術が、最も効果を上げやすいスポーツでもあります。
また、攻撃は、選手の才能やセンスにかなり影響され、一朝一夕ではなかなか進歩しませんが、守備は組織的な練習をとことん突き詰めることで、かなりレベルを上げることが可能です。
ただ、森保監督は、どうも格好をつけ、「自分たちのサッカー」を追及するタイプのように思えます。
その欲を抑え、決勝トーナメントに進出するには、何をしなければならないかを、徹底的に突き詰めることができれば、一縷の望みがあるのではないでしょうか。
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