かつて、明治時代の日本は、脱亜入欧を目標として、国力の増加に勤めました。
アジアの一員であることを否定し、先進国クラブである、欧米の一員となることを、国を挙げて推進したのです。
その努力は、方向性を間違えたために、第2次世界大戦で暴発しましたが、欧米に追いつけ追い越せの精神は、戦後の高度成長期を越え、今にもずっと残っています。
欧米の白人社会しか見ておらず、ずっとその仲間に入りたいと願ってきたのが、明治維新以後の、日本の近代の歴史です。
なので、日本人の頭の中には、下のような序列がついています。
西洋人(白人)≧日本人>その他の人種(自分たちと同じ人種である東アジア人を含む)
ヒトラーは、アジア人を二流民族と侮蔑していましたが、同盟を結んだ日本にのみ、名誉アーリア人という称号を送りました。
また、戦後の南アフリカで、日本人は経済的理由のために、反アパルトヘイト運動に与しなかったため、白人の次に偉い、「名誉白人」という称号をもらっていました。
どちらも、世界から見れば、かなりおかしな現象でしたが、日本人にとっては、アジアを脱して、西欧諸国の仲間に入れてもらえる、素晴らしく名誉な出来事だったのです。
日本人の白人に対する憧憬は、テレビやコミックスの世界にも現れています。
日清食品と、漫画「テニスの王子様」の作者、許斐剛氏は、大坂なおみ選手を白人のように描き、物議を醸しました。
彼女の肌の色を、ありのままに表現すると、日本人に受け入れられないと思ったのでしょう。
BBCニュースより、https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-46969435
コミックスの世界でも、日本人以外の主人公は、大抵、白人です。
特に、少女マンガでは、顕著な気がします。
『夢の雫、黄金の鳥籠』という、オスマン帝国(現在のトルコ)を扱った、歴史があります。
オスマン帝国で大帝と呼ばれた皇帝、スレイマン1世と、その皇后のヒュッレム(ロクセラーナ)を描いた作品ですが、トルコ人のスレイマン1世が、金髪碧眼で描かれています。
コミックナタリーよりhttps://natalie.mu/comic/pp/yumenoshizuku
実際の彼の肖像画は、下の通りであり、似ても似つかぬ風貌をしています。
黒髪にすると、親友で大宰相のイブラヒムと区別がつかないといった事情もあるのでしょう。
マンガの表現であり、目くじらを立てることもないとは思うのですが、こういった節々に、日本人の人種に対する考え方が出ていると思ってしまうのでした。
■ □ ■ □ ■ □ 昨日の家事 □ ■ □ ■ □ ■
・自分の分の朝食作り
・昼食器洗
・夜食器洗