『フィンランド軍入門』(齋木伸生著、イカロス出版)という本を読んでいます。
その中に、第2次大戦の開始直後に、フィンランドが侵略してきたソ連軍を退けた、「冬戦争」の記録がありました。
フィンランドは、かつて、ロシア帝国の領土だったのが、ロシア革命の混乱を機に、独立したのです。
それを快く思わないスターリンは、「フィンランドを資本主義の悪魔から解放すべく(同書P47)」、フィンランドに侵攻します。
スターリンとソ連軍は、かつては自国の領土だった、小国フィンランドを舐めきっていました。
ソ連軍は、千キロを越える国境の、ほぼ全面にわたって戦力を分散して展開し、一気にフィンランドに攻め入りました。
軍上層部は、フィンランド全土をあっという間に占領できると思い、わずか10日程度の弾薬補給しか準備しませんでした。
ですが、大半の軍が戦線を突破できず、ソ連軍の弱体化を、天下に知らしめてしまい、これが後のヒトラーのソ連侵攻に繋がった可能性さえあるということです(同書P91)。
この経過が、今回のロシア軍のウクライナ侵攻に、あまりにそっくりで、驚きました。
同書が出版されたのは、2007年なので、著者がわざと似せたものではありません。
指導者や体制が変わっても、民族性や考え方、社会文化というのは、なかなか変化できるものではないということを、示しているように思います。
翻って、我が自衛隊はどうでしょう。
第2次世界大戦で、大日本帝国が悲惨な敗戦を招いた原因は、軍の補給・人命・情報などの軽視や、根性論、捕虜虐待、兵力の逐次投入など、詳しく分析されています。
自衛隊は、そういった失敗を繰り返さないように、過去の経験から学び、生まれ変わった軍隊となれているのでしょうか。
満州での関東軍のように、自国の民間人を放って逃げたり、沖縄での日本軍のように、自殺を強要するなどということが、再びないように祈るばかりです。
■ □ ■ □ ■ □ 昨日の家事 □ ■ □ ■ □ ■
・自分の分の朝食作り
・夜食器洗