
最近読んだ、コージーミステリー、『メールオーダーはできません』(レスリー・メイヤー著、東京創元社、1991年原作出版)に、少なからぬショックを受けました。
コージーミステリーというのは、のんびりした片田舎の町を舞台にした、ミステリーの一ジャンルです。
この『メールオーダー…』の作中に、探偵役で3人の子持ち主婦である、ルーシーの飼い猫が、車に轢かれて死んだというエピソードがありました。
夫に、「君が子供たちに話してくれ。死体は僕が庭に埋めるから」と言われて、彼女が返したセリフが、何と、「たぶん、クリスマスの子猫が見つかると思うわ。子供たちは喜んでくれるはずよ」だったのです。
彼女は、子供たちに猫が車にはねられて死んだことを告げ、「あっという間に死んだろうから、最後まで幸せな猫だったわ」と言います。
子供たちも、さほど悲しむわけではなく、それぞれ猫の思い出を1行程度で語り、ルーシーは「きっとサンタさんが新しい子猫を連れてきてくれるわよ」と、子供たちを慰めます。
そして、実際にルーシーは、「子猫あげます」という新聞広告に出ていた、3匹の猫を引き取り、子供たちそれぞれに、「この子があなたの猫よ」と渡し、子供たちは前の猫のことなどすっかり忘れて大喜びです。
読んだときは、意味がわかりませんでした。
猫が死んだのに、彼(女)らは、全くと言っていいほど嘆き悲しまないのです。
例えるなら、お気に入りの電気製品が壊れたようなもので、新しい物が来ると、そちらに気を取られて、前の猫のことは忘れてしまいます。
同じ、猫を飼っている者として、とても信じられませんでした。
調べてみると、大半の日本人にとっては、猫は家族の一員ですが、欧米人にとっては、ペットは、人間を慰めるために存在する、愛玩物だそうです。
確かにYouTubeにも、クリスマスプレゼントに、サプライズで猫や犬を子供に与える動画が、多数出ています。
子供が猫を本当に可愛がるか、世話ができるかなど、そういったことは、おかまいなしです。
日本と欧米で、猫に対する考え方が、ここまで違うものとは、想像もしませんでした。
これはもう、文化や宗教の違いとしか言いようがなく、最後まで、???の気分でした。