原子力潜水艦も、当然というか、駆動力はやはり蒸気だそうです。
発電所のように、発電機から電気を発生させてモーターを回す場合と、蒸気の力で、スクリューを直接回す場合があるそうですが、蒸気を使っていることには、変わりありません。
幕末の嘉永6年(1853年)、アメリカのマシュー・カルブレイス・ペリーが、日本に来たときの船も、蒸気船でした(4隻中2隻)。
1隻で、1国を滅ぼすことさえできると言われている原子力潜水艦が、今では時代遅れとなった、蒸気機関車や蒸気船と同じ仕組みで動いているというのも、何とも不思議な気がします。
石炭を燃やすことで始まった蒸気機関が、原子力という熱源を得て、現代でも使えるような技術に洗練されて、甦ったというところでしょうか。
そう言えば、一時流行したSFに、「スチームパンク」というものがありました。
スチームはもちろん蒸気、現実世界における内燃機関が存在せず、蒸気機関がメインの動力源となっている世界をバックにした、空想科学小説です。
蒸気機関といっても、現代のように発電をするのではなく、内燃機関代わりに、直接の動力源として使うことが大半です。
ですから、やたら嵩張っており、蒸気を通すパイプなんかが、あちこちに飛び出していて、それで、現代の技術を達成しようとする、大げさな仕組みが受けたようです。
H・G・ウェルズやジュール・ヴェルヌの小説を、現代風に焼き直したような感じでしょうか。
今後、温暖化問題から内燃機関が廃れ、蒸気機関が、再びメインの動力源になる世界が、来るかもしれません。