東京オリンピックは、コロナ騒ぎの中、本当にやるんだろうかと疑っている間に始まり、いつの間にか終わっていました。
コロナで家に閉じ込められ、テレビに齧りついていた人もいるようですが、私は、殆ど見ませんでした。
おかげで、誰が金メダルを取ったかも、よく知りません。
史上最多の金メダルと、はしゃいでいますが、地元開催で、しかも他国の選手が、東京に来てから、殆ど練習できなかったという環境を考えれば、当然でしょう。
そもそも、4年に1回しか開かれないオリンピックが、スポーツの最大の栄誉になること自体、おかしな話です。
本当の勝負は、世界選手権にして、オリンピックは勝負を度外視し、お祭り騒ぎのイベントに徹してはどうかと思っています。
スポーツ選手の全盛期は短く、ちょうどオリンピックの開催年に、ピークを迎えた人だけが、メダルを取れます。
前年まで無敗を誇って、圧倒的な強さで世界選手権で3連覇したとしても、オリンピックで、風邪をひいたり交通事故を起こしたりしてメダルを取れなければ、それだけで評価が決まってしまいます。
まるで、世界一を決めるはずの世界選手権が予選で、オリンピックだけが本番のようです。
しかも、最近は、アメリカのテレビ局の都合で、開催時期と試合時間を決められており、選手は、ベストコンディションで大会に臨むことができません。
真夏の東京で、オリンピックをやること自体、正気の沙汰とは思えません。
今回の東京オリンピックで、真夏の東京が灼熱地獄の地だということが、世界中に知れ渡ってしまいました。
次回、日本で夏のオリンピックを誘致するとしても、札幌くらいしか候補に残れないでしょう。
種目も、視聴率を優先し、放っておいても人気があるものばかりです。
サッカー、テニス、ゴルフなど、オリンピックで試合をしなくても、充分人気のある競技を増やし、地道な競技はどんどん外されていきます。
そもそも、ゴルフやテニスは、世界一を決める大会が、年に4回もあります。
4年に1回のオリンピックに比べて、チャンスは16倍です。
そのうち1回でも、日本人が、ベスト4に入っただけで、大騒ぎです。
チャンスは、64倍になってしまいます。
一方、柔道などは、オリンピックで常に金メダルを期待され、銀メダルだと残念扱い、メダルを逃したりすると、気の毒なほど叩かれます。
しかも、金メダルを取ったからといって、その後の生活が、保証されるわけでもありません。
昔、ゴルフの上田桃子選手が、「プロのない、先のないスポーツを、どうしてそこまで頑張れるんだろう」と発言しましたが、決して間違っているとは思えません。
勝っても負けても、儲かるのは建設業界やマスコミ、スポンサーなどばかりで、これも言うなれば、やりがい搾取の一種ではないかと、思ってしまうのでした。