森永卓郎氏は、
「年金を30カ月、つまり2年6カ月早めに受給すればよいのだ。62歳で引退すれば、体力のあるうちに「老後」が手に入るから、人生を謳歌する時間を延ばすことができる。」
とまで書いています。
つまり、繰り下げ受給の真逆である、繰り上げ受給です。
収入も貯金もなく、どうしても暮らしていけない場合には、繰り上げ受給をするのはやむを得ない選択です。
しかしながら、遊ぶ金のために、老後の頼みの綱である年金を減らすのは、どう考えてもお勧めできません。
早目にもらい始めた分、「年金受給額が12.0%減の状態が、生涯続く」のです。
その損を、どうやって賄うかと言えば、
「最終的に、夫婦で11万3000円の年金で暮らせる態勢を、整えないといけない。不可能ではないと思うが、ライフスタイルの大きな転換が必要だ。」
とまで書いています。
要は、「若いうちに(と言っても62歳)、お金を使った方が、人生を楽しめるから、遠慮なく使ってしまおう、後は、まあ我慢すれば何とかなるんじゃないか」ということです。
貯金をするライフスタイルというのが、一朝一夕にはできないのと同じで、それまでどんどん使っていたものを、来年から11万3000円の年金で暮らせる態勢を作るなど、できるわけがありません。
このような、調子のいい話に惑わされる人が、いないことを祈るばかりです。
尚、余談ですが、上記の森永氏の記事は、「長生き地獄-資産尽き、狂ったマネープランへの処方箋」という本からの、抜粋だそうです。
ところが、この本とまさに同じ題名の、「長生き地獄」という本が、松原惇子さんにより、2017年にソフトバンクから出版されています。
www.sbcr.jp なぜ、わずか4年前に出たものと、同じ題名の本を出したのでしょうか。
天下のKADOKAWAの編集者ともあろう者が、先行の本の題名を、調べもしなかったのか、それとも、わかっていて二番煎じを狙ったのでしょうか……。
題名に著作権はないというものの、あまり釈然としないのでした。
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予想したより、倍くらいの長さの記事になってしまいました。
この項は、これで終わりです(同様の趣旨の記事は、これからも書くと思いますが)。
最後まで読んで下さった方々に、お礼申し上げます。