以前にも、平均寿命くらいまでしか生きられないだろうからと、高級老人ホームに入ったものの、手持ちのお金がなくなって、ホームを追い出された方の話を紹介しました。
chotiku.hatenablog.com
人は、いつ死ぬかを、選べません。
平均寿命で死ぬとわかっていればいいですが、殆どの人は、そこから外れます。
おまけに、平均寿命は、年々伸びています。
余命宣告されれば、死ぬ時期がわかると思う人もいるでしょうが、癌で、余命が3ヶ月と言われても、その後、何年も生きる人はいるそうです。
余命宣告を信じて、死ぬまでにお金を全部使いきろうとしたら、思った以上に長生きしてしまって、お金がなくなって困った人の話も、読んだことがあります。
投資などで、定年後も継続的な収入を得られる人はともかく、私を含めた普通のサラリーマンは、会社を辞めたら、収入がそれ以上増えません。
そういう凡人にとっては、長生きはリスクであり、年金はそのリスクを少しでも軽減するための、貴重な武器なのです。
ところが、この年金という唯一の武器が、現代の日本では、高度成長期に比べて、かなり貧弱なものになっています。
個人的には、繰り下げ受給というのは、決して万能な手段ではなく、姑息極まりないものだと思っています。
しかしながら、これまでの年金資産の無駄遣いや、少子高齢化、さらには日本の経済不振によって、こういった姑息な手段で補強しないと、まともに戦えないようになっているのです。
繰り下げ受給をやめるということは、早死にした場合の総手取り額という、目先の利益につられて、わずかに残った貴重な補強手段を、捨ててしまうことに他なりません。
(もう少し、続きます)