日本では、車がないとひどく不便な地域というのが、そこらじゅうにあります。
東京や大都市近郊の会社に就職するから、免許は必要ないだろうと、考えている学生諸氏は多いかと思います。
ですが、本社が東京にあっても、事業所は、日本全国にあります。
入社して、どこの事業所に配属されるかは、全くわかりません。
特に、営業所や、工場などは、土地の安い、地方にあることも多いです。
また、配属は東京でも、しばらくして、転勤になる場合もあります。
地方の公共交通機関の不便さは、大都市近郊にいる人の、想像を越えています。
バスが1時間に1本あればいいほうで、会社の通勤時間に合わせて、1日に3,4本だったり、会社の通勤専用のバスしかない場合もあります。
それ以外の時間に、退社するためには、タクシーを使わないとなりません。
駅まで、距離があるところでは、タクシー代が数千円したりします。
必要になってから、免許を取ればいいと思うかもしれませんが、転勤や転職の場合は、なかなか、そんな時間とお金の余裕が与えられません。
私の場合も、親が車も免許も持っていなかったことと、比較的都市部に住んでいたことから、やはり免許の必要性を感じませんでした。
それでも親は、学生のうちに取っておけと、強く勧めたのですが、結局、学生時代には取らずじまいでした。
ところが、配属になったのは地方都市の、しかも市役所からも駅からも、かなり離れた場所にある事業所で、免許がないと不便極まりないことがわかりました。
おかげで、社会人になってから、教習所に通う羽目になりました。
土日だけでは、とても間に合わないため、会社にお願いして、週に何日か定時退社させてもらい、夜間のコースを受講しました。
所属長が、話のわかる人だからよかったものの、いきなり残業をさせられていたら、とてもそうはいきません。
加えて、昼と夜と、両方通ったからわかるのですが、やはり夜は、運転しにくいものです。
東京と違って、道路には街灯が少なく、雨の日などは周囲の車がよく見えなくて、最初は、パニックになりそうでした。
おまけに、年を取るほど、運動神経も衰えており、なかなかハンコがもらえず、時間オーバーの連続でした。