一家に1台ではなく、1人に1台の自動車が、必要だとする地域も多いようです。
とはいえ、車を複数台所有するというのは、コストの面から、かなり厳しいものがあります。
地方では土地が安く家が広いので、駐車場代はそれほど負担にはならないかもしれませんが、車検や保険は、どこに住んでいても同じです。
1つの選択肢としては、前述のカーシェアリングがあるでしょうが、どちらかというと都会に多く、まだまだ地方には進出していないようです。
地方では、皆が車を持っているから、カーシェアリングの需要がないという、堂々巡りもあるかもしれません。
もう1つの選択肢としては、中古車の購入を検討することです。
日本人は、新品を好む人が極端に多い国民性を持っています。
最近では、メルカリやヤフオクなど、中古を気にしない人も増えましたが、それでも大半の人は、やはり新品を第一選択肢にします。
そのため、なかなか、中古市場が発達しません。
その中で、自動車というのは、中古市場が非常にしっかりしている、数少ないものの一つです。
中古車は、貧乏臭いというイメージがありますが、品質の変わらないものを、かなり安く買うことができます。
誰が乗ったかわからないということで、嫌がる人が多いですが、ワンオーナー(過去の所有者が1人のみ)なら、それほど気にしなくてもいいかと思います。
整備記録簿がちゃんとついていれば、過去の点検や故障も担保されていて安心ですし、禁煙車を指定することもできます。
売る方は、ちゃんとクリーニングをしてくれますし、新車特有のプラスチックやビニールの変な匂いもしませんから、かえって馴染みやすいという面もあります。
また、車検が残っている車なら、試乗をすることができます。
このメリットは、意外に大きいものです。
実は、我が家では、新車を買ったのは1度だけで、あとは、すべて中古車を買っています。
一度、奮発して新車を買ったものの、転勤で殆ど乗れなくなってしまい、安価で手放した経験がありました。
元々、あまり走行距離が増えない車生活をしているため、これは、中古車で充分だという話になりました。
ところで、中古車を買うルートには、新車を売っているディーラーの傘下にあるディーラー系(トヨタとか日産とか)と、独立資本の独立系があります。
車を見る目がないと自覚している我が家では、ディーラー系の中古車屋さんから、購入することにしています。
独立系のディーラーよりも高くなりますが、1年間の保証がついていますし、やはり安心感が違います。
今の車の前に買った車は、新車登録からまだ1年半ほどしかたっていなかったので、ディーラーの保証だけでなく、新車保証が1年半ついていました。
走行距離は、1万キロそこそこでしたが、新モデルが出て人気がなくなった車種ということもあり、2桁万円で購入できました。
10年間乗りましたが、あまり走行距離が多くないこともあり、パワーウィンドウが、片側壊れたくらいでした。
修理費も、2万円ほどです。
それよりも、もっと古くて走行距離が大きい車にも乗ってきましたが、これまでに、重大なトラブルは一度もありません。
維持費の安さから、2台目は軽自動車という家庭も多いようですが、最近の軽自動車は、装備が充実している分、かなり高価なものになっています。
加えて、セカンドカーという特性上、あまり走行距離が増えず、しかも維持費が安いことから、長年乗り続ける人が多くなります。
結果として、なかなか中古市場に車が出ないため、中古価格も割高です。
一方で、コンパクトカーと呼ばれる、排気量1~1.5Lクラスの車は、より頻繁に買い換えがあるため、中古車市場に出るものも多く、中古価格がかなり割安になっています。
メーカーが、技術的に一番力を入れているのもこのクラスで、競争が激しいために、車としてのコストパフォーマンスも高くなっています。
軽自動車の維持費が安いといっても、年間数万円の違いに過ぎません。
維持費の安さだけに釣られて、軽自動車の新車を購入するよりも、中古のコンパクトカーを購入した方が、トータルでかえって安く上がることがあるというのは、覚えておいて損はないと思います。