私が就職した40年ほど前は、妻に働かせるなんて、男がすたるというような風潮が大半でした。結婚した25年前ですら、共働きと聞くと「奥さんはいつ辞めるの」とかいう雑音が入ったものです。
実際のところ、会社の同期で、妻がフルタイムで働いている人は、殆どいません。看護師や教師といった専門職でない有夫の女性が、一生勤めるなど、想像もされない時代でした。
ですが、今は事情が違っています。昔のように、年をとっても夫の給料は、なかなか上がりません。リストラや倒産といった悲劇も、他人事ではありません。
そして、何よりも共働きを必要とするのが、これまでに説明したような年金の問題です。夫の給与だけでは、食べていくだけで本当にギリギリの年金しか、もらえない仕組みになっています。
そう言えば、こういう記事を見つけました。京都市在住の25歳単身者が、「普通の生活」をするのに必要な金が、24万円だそうです。家賃の4万円を引くと、月に20万円、年に240万円。
これは、夫婦の平均年金額と、ほぼ一致しています。つまり、65歳以降は、25歳が一人で暮らすのにかかるお金を、二人で分け合って暮らさなければいけないということです。
総評による、最低賃金を上げんがための調査という側面もあり、結果をそのまま受け取ることはできないかもしれませんが、年に240万円という年金額が、かなり少ないことが実感できるのではないでしょうか。