では、すでに65歳の定年を間近に控えて、貯金がそれほどなく、共働きでさえない場合は、どうすればいいのでしょうか。
その場合は、65歳から年金の受給を開始し、年平均240万円という金額で一生我慢するか、或いは、何か職を探して働くことになります。
どちらも厳しい話ですが、私としては、仕事が何であれ働いて、少しでも年金の受給を遅らせることをお勧めします。一度、年金をもらい始めたら、余程のインフレやデフレがない限り、その額はさほど変わりませんので。
ところで余談になりますが、以前、繰り下げ受給をすると、しない場合に比べ、何歳まで長生きすれば元が取れるか、という記事を読んだことがあります。
人によっては、繰り下げ受給をせずに、早目にもらったほうがいい場合があるというような趣旨でした。
ですが、年金というのは、そういう性格のものではなく、死ぬまで老後のお金に困らないという、安心を提供してくれるものです。余命3年と言われても、その先10年も生きる人だっています。
例えば生命保険の場合は、かなり高額の掛け金を払っているにもかかわらず、元が取れなくてもそれほど気にしないでしょう。満期でいくらかでも戻ってくれば、得をしたと喜ぶくらいです。
年金も同じです。なので、目先の損得に惑わされず、受給時期をできる限り遅くし、1ヵ月当たりの受給額を少しでも多くすることをお勧めします。